河東けい

河東けい：関西新劇界を代表した女優の生涯

河東けい（本名：西川紫洲江、1925年11月20日 - 2024年7月17日）は、日本の女優として長く活躍した人物です。兵庫県神戸市出身で、日本女子大学卒業。ピアノと狂言を特技として持ち、その多才ぶりを発揮しました。

1957年、関西芸術座の創立メンバーとして参加。以降、長きにわたって舞台を中心に活躍し、関西新劇界を代表する女優として高い評価を得ました。関西芸術座では、女優としてだけでなく、演出も手掛け、その幅広い才能を遺憾なく発揮しました。

テレビドラマへの出演も多数。NHKの朝の連続テレビ小説『火の国』、『純ちゃんの応援歌』、そして『芋たこなんきん』、『ウェルかめ』など、数多くの作品で印象的な役柄を演じました。時代劇にも多く出演しており、『銭形平次』『大岡越前』『必殺シリーズ』など、人気シリーズへの出演作は枚挙に暇がありません。これらの作品において、河東は様々な役どころを巧みに演じ分け、視聴者から高い人気と信頼を得ていました。

その活動は、テレビドラマにとどまりません。『京都殺人案内』シリーズや『土曜ワイド劇場』といった人気番組にも出演し、幅広い演技力で視聴者を魅了しました。さらに、ラジオドラマへの出演や、舞台での活躍も継続。NHK-FMの『FMシアター』にも出演するなど、表現活動の幅は実に広かったといえます。

舞台では、『こわれがめ』、『野鴨』、『奇跡の人』など、古典から現代劇まで、数々の名作に出演。彼女の演技は常に高く評価され、観客を感動の渦に巻き込みました。

河東けいは、数多くの映画にも出演しています。1970年の映画『無常』など、その演技は高く評価され、映画界にも大きな足跡を残しました。

2024年7月17日、98歳で老衰のため逝去。その死は、日本の演劇界、そしてテレビドラマ界に大きな衝撃を与えました。数多くの作品に出演し、日本のドラマ史に貢献した河東けいの功績は、これからも長く語り継がれていくことでしょう。

彼女の生涯を振り返る上で、井上由紀子著『そんな格好のええもんと違います　生涯女優河東けい』は貴重な資料です。この本は、河東けいの波乱に満ちた人生と、揺るぎない演技への情熱を深く掘り下げています。

河東けいの名前は、多くの人の記憶の中に、素晴らしい女優として、そして日本の演劇史に貢献した重要な人物として刻み込まれていると言えるでしょう。彼女の遺した作品は、これからも人々を魅了し続け、彼女の存在を後世へと伝えていくことでしょう。

主な出演作品（抜粋）：

映画
無常（1970年）

テレビドラマ
ひとすじの光（1960年、KR）
帰って来た用心棒（1969年、NET）
銭形平次（CX）
大岡越前（TBS）
銀河ドラマ / 霧の旗（1972年、NHK）
朝の連続テレビ小説 火の国（1976年 - 1977年、NHK）
朝の連続テレビ小説 純ちゃんの応援歌（1988年 - 1989年、NHK）
必殺シリーズ（ABC）
水戸黄門（TBS）
怪人二十面相と少年探偵団（1983年 - 1984年、KTV）
土曜ワイド劇場（ABC）
ああ嫁姑（1985年、MBS）
長七郎江戸日記（1985年、NTV）
新・部長刑事 アーバンポリス24（1990年、ABC）
京都始末屋事件ファイル（1999年、ANB）
新・いのちの現場から2（2006年、MBS）
土曜ドラマ / ジャッジ 〜島の裁判官奮闘記〜（2007年、NHK）
経世済民の男（2015年）

ラジオドラマ
FMシアター（NHK-FM）

舞台
こわれがめ
野鴨
奇跡の人
アンネの日記
* 母

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