河端貞次

河端貞次：上海で散った医師の生涯

河端貞次（かわばた ていじ）は、1874年（明治7年）1月26日に生まれ、1932年（昭和7年）4月30日に没した、明治時代から昭和時代初期にかけて活躍した日本の医師です。

京都から上海へ

河端は京都で開業医として活動を開始しました。その後、1912年（明治45年）に上海へ渡り、自身の医院を開業しました。当時の上海は、多くの外国人が居留し、国際的な都市として発展していました。河端は、この地で医師として、邦人の医療に貢献しました。

上海居留民団行政委員会会長として

1922年（大正11年）には、上海居留民団行政委員会の会長に就任しました。上海居留民団は、上海に在留する日本人のための自治組織であり、行政、教育、福祉など、様々な分野で活動を行っていました。会長として河端は、在留日本人の生活を向上させるために尽力しました。特に、日本人学校の建設に力を注ぎ、教育環境の整備に貢献しました。

突然の死

1932年（昭和7年）4月29日、上海虹口公園（現在の魯迅公園）で行われた天長節（天皇誕生日）の祝賀式典において、爆弾テロ事件が発生しました。この事件は、朝鮮人独立運動家の尹奉吉（ユン・ボンギル）によって引き起こされたもので、河端貞次もこの爆弾テロの犠牲となり、命を落としました。享年58歳でした。

河端の死は、上海の日本人社会に大きな衝撃を与えました。長年にわたり、上海の邦人のために尽力した河端の功績は、多くの人々に記憶されています。

参考文献

* 『河端貞次氏伝』 上海事変誌 別冊附録 出版：上海居留民団 発行年月：1933年


河端貞次は、激動の時代を生きた医師であり、上海における日本人社会の発展に大きく貢献した人物として、その名は歴史に刻まれています。

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