河跡湖公園

岐阜県各務原市に広がる河跡湖公園（かせきここうえん）は、川島松原町、川島河田町、川島松倉町の三つの地域にまたがる都市公園です。

この公園のユニークな成り立ちは、かつて木曽川の支流として流れていた鉄砲川に由来します。鉄砲川は1923年（大正12年）にその役目を終え廃川となり、後に残された河跡湖や旧河川敷が公園の基盤となりました。整備計画は1975年（昭和50年）頃に当時の羽島郡川島町によって進められ、1998年（平成10年）には基本計画が策定されました。その後、2004年（平成16年）に川島町が各務原市に編入されたことを受け、2007年（平成19年）には各務原市が進める「水と緑の回廊計画」の一環として本格的な整備が開始されました。そして、2009年（平成21年）3月14日に市民の憩いの場として開園しました。

公園は旧鉄砲川の流域を細長く利用しており、東西に約1.5kmにわたって伸びています。総面積は5.09ヘクタールにおよび、その東端はエーザイ川島工園、西端は木曽川の堤防に接しています。園内を横断する形で複数の県道（一宮各務原線、松原芋島線）や市道が通っています。

園の中心には、廃川によって生まれた二つの河跡湖、柞下池（ほうそげいけ）と三ツ屋池があります。これらの自然の湖を中心に、周囲の豊かな樹木や既存の自然景観を生かしながら、新たに多くの中高木が植栽されています。園内には、湖畔を巡る散策路や、広々とした憩いの広場が整備されており、四季折々の自然を楽しみながらの散歩やレクリエーションが可能です。また、かつての鉄砲川流域には、歴史的に地域を見守ってきた神社や祠（榎神社、川除大神社、水神社など）が点在しており、公園の一部からもこれらの場所へ立ち入ることができます。

河跡湖公園は、その地形や特性に応じて大きく四つのエリアに分けられています。公園の東側に位置する上流域エリアには、苗木の植樹ゾーンや、夏場に子供たちが水遊びを楽しめる河原があります。中流域エリアには、広大な芝生広場と、子供向けの遊具が設置された森の遊び場が設けられています。柞下池の周辺エリアは、主に湖畔を巡る静かな散策道が整備されており、水辺の景色を楽しみながらゆっくりと歩くのに適しています。西側の三ツ屋池周辺エリアでは、旧堤防を利用した散策道が整備されており、自然に近い状態で残された雑木林を眺めながら散策が楽しめます。

公園には、散策路や広場の他にも、眺望デッキ、木製遊具、スカイロープ、ストレッチ遊具といった様々な施設があり、多様な年代の利用者がそれぞれの楽しみ方を見つけられるよう配慮されています。駐車場は園内の数箇所に分散して設けられており、合計で30台分のスペースがあります。

年間を通じて、公園は地域住民に親しまれており、特に2009年の開園以来、例年9月頃には「河跡湖フェスティバル」が開催され、多くの人で賑わいます。

公共交通機関でのアクセスも可能です。名鉄バスの一宮川島線を利用する場合は「松倉口」バス停、岐阜バスの笠松川島線を利用する場合は「川島小学校前」または「松倉公民館前」バス停で下車します。また、各務原市ふれあいバスの川島線も利用でき、「西養寺前」「川島小学校前」「松倉公民館前」バス停があります。各バス停から公園の最寄りエリアが異なり、「松倉口」「松倉公民館前」は上流域、「川島小学校前」は中流域、「西養寺前」は柞下池・三ツ屋池周辺エリアへのアクセスに便利です。

公園周辺には、松倉公民館、認定こども園川島東こども園、各務原市立川島中学校（上流域側）、榎神社、各務原市立川島小学校（中流域側）、川島会館、川島ほんの家、各務原市木曽川文化史料館、西養寺（柞下池・三ツ屋池周辺側）など、地域にとって重要な施設が点在しています。周辺の散策と合わせて公園を訪れるのも良いでしょう。

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