治打撲一方

治打撲一方（ちだぼくいっぽう）は、漢方医学に基づいて調合された処方であり、主に打撲や捻挫といった外傷による症状の緩和を目的として用いられます。この処方は、特定の生薬を組み合わせることで、体のバランスを整え、自然治癒力を高めることを目指します。

構成生薬

治打撲一方は、以下の7種類の生薬から構成されています。

桂皮（けいひ）: 3.0g - 体を温め、血行を促進する効果があります。
川芎（せんきゅう）: 3.0g - 鎮痛作用や血行促進作用があるとされ、痛みを和らげます。
川骨（せんこつ）: 3.0g - 骨や関節の痛みを緩和する効果が期待できます。
撲樕（ぼくそく）または桜皮（おうひ）: 3.0g - 炎症を抑え、痛みを鎮める作用があります。
甘草（かんぞう）: 1.5g - 炎症を緩和し、他の生薬との調和を促します。
丁子（ちょうじ）: 1.0g（場合によっては1.0 - 1.5g） - 鎮痛作用や抗菌作用があるとされています。
* 大黄（だいおう）: 1.0g（場合によっては1.0 - 1.5g） - 便秘を解消し、体内の老廃物を排出する効果があります。

これらの生薬は、患者の状態に合わせて配合量が調整されることがあります。漢方薬は、個々の体質や症状に合わせて処方されるため、専門家による診断が重要です。

適用

治打撲一方の適用は、比較的体力のある方（実証）で、打撲や捻挫などの外傷によって腫れや痛みが生じている場合に限られます。受傷後、数日が経過しても症状が改善しない場合に用いられることが多いです。重要な点として、受傷直後の急性期ではなく、ある程度時間が経過してから使用されることが一般的です。

歴史

治打撲一方は、古くから伝わる漢方処方であり、その知識は医学書『香川修庵』に記録されています。長年の経験に基づいて、その効果が伝えられてきました。

注意点

漢方薬を使用する際は、専門家（医師や薬剤師など）に相談し、自身の体質や症状に合った適切な処方を受けることが大切です。また、服用中に異変を感じた場合は、直ちに服用を中止し、専門家に相談してください。

もう一度検索