泉川貴広

泉川 貴広（いずみかわ たかひろ）は、1986年10月18日に北海道で生まれた日本の音楽家です。主にピアニストとして活動を展開しながら、作曲や編曲においても才能を発揮し、多岐にわたる分野で活躍しています。

来歴

泉川氏の音楽キャリアは、大学在学中に本格的にスタートしました。大阪を拠点に約4年間プロのピアニストとして経験を積んだ後、さらなる成長を求めて単身ニューヨークへ渡航します。現地のダイナミックな音楽シーンに身を置き、数多くのミュージシャンとのセッションやバンド活動を通して、自身の演奏技術と音楽観を磨きました。特に、ジャズ界で高く評価されるピアニスト、ビル・メイズ（Bill Mays）との交流は深く、彼の音楽から多大な影響を受けたと語っています。

2011年に日本へ帰国した後は、活動の場を東京に移します。以降、日本のジャズシーンを牽引するトップミュージシャンたちとの共演を重ねていきます。ドラマーの則竹裕之氏、大坂昌彦氏、本田珠也氏をはじめ、トロンボーン奏者の向井滋春氏、サックス奏者の山田穣氏など、著名なプレイヤーとの共演は泉川氏の評価を高めるものとなりました。

バンド活動とフェスティバル出演

8人編成のクラブ系ジャズバンド「KING COLUMBIA」にはキーボード奏者として参加。同バンドの1stアルバムは、全国のタワーレコードやヴィレッジヴァンガードなどで広く流通し、注目を集めました。また、KING COLUMBIAの一員として、2011年に開催された国内最大級の野外音楽イベント「フジロックフェスティバル」に出演。そのパフォーマンスは多くの音楽ファンに届けられました。

現在の幅広い活動

現在、泉川氏はプレイヤーとして非常に多忙な日々を送っています。ジャズヴォーカリスト TOKU のグループ、ヴォーカリストの akiko、サックス奏者 小林香織 のグループ、ヴォーカリスト CHAKA、サックス奏者 伊東たけし のビッグバンド、ギタリスト 大橋勇武 のグループなど、様々なアーティストのライブやツアーでキーボードを担当しています。さらに、サックス奏者の 勝田一樹 と 庵原良司 による双頭バンドや、ギタリスト 井上銘 率いるグループではレギュラーピアニストを務め、安定した演奏力でバンドサウンドを支えています。

活動ジャンルはジャズやフュージョンに留まらず、ファンク、R&B、ポップスなど非常に幅広く、多くのアーティストから信頼されています。歌手の 相川七瀬 のレコーディングに参加するなど、スタジオワークでも活躍。自身のバンドを率いるなど、リーダーとしての活動も積極的に行っています。

作曲・編曲家として

近年は演奏活動に加え、作曲や編曲家としての依頼も増加しており、その才能を遺憾なく発揮しています。2012年には、井上銘グループのメンバーとしてNHK BS1の国際情報番組「地球テレビ エル・ムンド」に1週間にわたり連続出演し、演奏家としてメディアに登場しました。

作曲・編曲の分野では、2012年11月から放送されたハウス食品「ジャワカレー」のテレビCMにおける楽曲を手掛け、作曲、編曲、演奏、レコーディングの全てを担当しました。また、2013年に発売されたサックス奏者 小林香織 のアルバム「アーバンストリーム」では、楽曲のアレンジや打ち込みに加え、オーケストラアレンジも手掛けるなど、作編曲家としての活動範囲を着実に広げています。

海外レーベルからのリリース

2019年には、アメリカの著名なインディーズレーベル「Ropeadope Records」との契約を果たしました。これは、泉川氏の音楽が国際的な評価を得たことを示す出来事と言えます。この契約に基づき、2020年4月10日には全曲が泉川氏のオリジナル楽曲で構成された初のフルアルバム「Life is Your Thoughts」が同レーベルよりリリースされ、国内外にその音楽を発信しています。

ディスコグラフィー（主な参加・関連作品）

FACTORY（2013年7月13日） - 自身のリーダー作。作曲・編曲・演奏を担当。
ヴィンセント・ハーリング - Hard Times（2017年10月31日） - 作曲・編曲で参加。
MISIA - SOUL JAZZ SESSION（2017年7月26日） - 演奏で参加。
ナット・ディクソン - Made in New York City（2017年2月20日） - オーケストラアレンジで参加。
* Leah Rich - Crazy Race（2016年7月5日） - 演奏で参加。

ピアニストとしての卓越した技術に加え、作曲・編曲家としてもその才能を発揮し続ける泉川貴広氏は、日本の音楽シーンにおいて、ジャズを基盤としながらもジャンルを超えて活躍する稀有な存在と言えるでしょう。

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