泉州タオル

泉州タオル

泉州タオルは、大阪府の泉州地域で生産されるタオルの総称です。泉州地域の繊維産業の中でも、特に泉南地域や泉佐野市を中心に生産が盛んです。

概要

泉州タオルの最大の特徴は、後晒（あとざらし）という製法で作られていることです。一般的なタオルは、糸の強度を高めるために糊付けされた糸を使い、織った後に晒しを行います。後晒製法では、この晒しの工程をタオルを織り上げた後に行うため、糊や不純物がしっかりと取り除かれ、優れた吸水性とやわらかな肌触りが生まれます。

現在、「泉州タオル」として一般消費者への認知度向上を図るとともに、より高品質な「泉州こだわりタオル」というプレミアムブランドも展開し、ブランド化戦略を進めています。泉州タオルは、国内タオル生産量の約半分を占めており、泉佐野市には大阪タオル工業組合の本拠地と直営ショップがあります。

歴史

泉州タオルの歴史は、明治時代に遡ります。

1885年（明治18年）：大阪の舶来雑貨商・新井末吉がドイツ製タオルに着目し、国内での需要を見込んで、白木綿業者・里井圓治郎に製造を依頼。
1887年（明治20年）：里井圓治郎が織機の技術を応用し、パイルを作る「打出機」を開発。国産初の後晒タオルが誕生。
1906年（明治39年）：タオル製造業者らが集まり、里井圓治郎を初代会長とする「佐野タオル共同会」が発足。
1928年（昭和3年）：「佐野タオル工業組合」が設立。
1958年（昭和33年）：「大阪タオル工業組合」に名称変更。
2006年（平成18年）：JAPANブランド育成支援事業の認定を受ける。

特徴

泉州タオルの特徴は、やはり後晒製法による高い吸水性と肌触りの良さです。ノリや不純物が取り除かれているため、使い始めから水分をよく吸収し、赤ちゃんや肌の弱い方にも安心して使用できます。また、薬品の使用を極力抑えた製造方法により、環境にも配慮したタオル作りが行われています。

かつては襟巻としても使われていた泉州タオルですが、近年は安価な海外製品との競争が激化しています。しかし、その品質の高さから、企業の贈答品など、高品質を求める層からの需要は根強く、生き残りをかけています。

その他

毎年8月の最終日曜日は「泉州タオルの日」として、各地でPRイベントやセールが開催されます。
泉佐野市立地場産業支援センターは、「泉州タオル館」という愛称で親しまれています。
泉州タオルのイメージキャラクターは「たおりん」。
泉佐野市のイメージキャラクター「イヌナキン」は、常に泉州タオルを身につけています。

泉州タオルは、その長い歴史と伝統に裏打ちされた確かな品質で、今もなお多くの人々に愛され続けています。

参考文献

大阪タオル工業組合ホームページ

関連項目

泉佐野市
タオル
里井圓治郎

外部リンク

泉州タオル館ホームページ
泉佐野市立地場産業支援センター(泉州タオル館）近畿経済産業局 関西の見学可能な産業施設一覧リストより
* 泉州タオル

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