泊船寺

泊船寺（はくせんじ）は、東京都品川区に位置する臨済宗大徳寺派の寺院です。

歴史

寺は1382年（永徳2年）に龍光和尚によって開山されました。本尊として祀られている阿弥陀如来は、海中より出現したものと伝えられています。この神秘的な伝承が、寺の創建以来、多くの人々の信仰を集めてきました。

江戸時代初期には、千巌宗億という住職がいました。彼は北条氏直の孫にあたるとされ、松尾芭蕉と親交がありました。この縁から、泊船寺には芭蕉の句碑をはじめとする俳句に関する遺構が数多く残されています。これらの遺構は、当時の俳諧文化の隆盛を今に伝える貴重な文化財となっています。

文化年間（1804年～1818年）には、山奴と景山という二人の俳人が泊船寺を拠点として、近隣地域に俳諧を広めました。彼らは寺で頻繁に句会を催し、地域の人々とともに俳句を楽しみました。泊船寺は、当時から地域における文化交流の拠点としての役割も担っていたのです。

主な句碑

境内には、以下の句碑があります。

芭蕉句碑
芭蕉百五拾回忌建立句碑
木樨庵楼川居士句碑
杜格斎山奴句碑
松古庵無楽句碑

これらの句碑は、俳句史における泊船寺の重要な位置を示すとともに、訪れる人々に豊かな文化的体験を提供しています。

交通アクセス

泊船寺へのアクセスは、京浜急行本線の鮫洲駅から徒歩3分です。駅から近く、気軽に立ち寄ることができるため、歴史や文化に興味のある方はもちろん、俳句を愛する人々にとっても魅力的な場所となっています。

参考文献

平野栄次 著『品川区史跡散歩 (東京史跡ガイド9)』学生社、1993年
* 「大井村 泊船寺」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ53荏原郡ノ15、内務省地理局、1884年6月。

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