法然院

法然院について

法然院（ほうねんいん）は、京都市左京区鹿ヶ谷に位置する浄土宗系の寺院であり、独立した宗教法人として活動しています。この寺院の山号は善気山で、本尊は阿弥陀如来として広く信仰されています。正式名称は「善気山法然院萬無教寺」といい、別名として「本山獅子谷法然院」が知られています。

歴史

法然院の起源は鎌倉時代にまで遡ることができ、法然上人が弟子たちと共に六時礼讃行を修するために建立した草庵がその始まりです。江戸時代の延宝8年（1680年）には、知恩院の38世である萬無上人が法然ゆかりの地に念仏道場を設立し、弟子の忍澂と共に再興を果たしました。当初は浄土宗内の独立した一本山として繁栄しましたが、1953年（昭和28年）には浄土宗から独立し、現在のような単立の宗教法人となりました。1984年に現貫主の梶田真章（かじたしんしょう）が就任し、彼の父親である先代貫主の橋本峰雄は著名な哲学者であり、神戸大学教授としても知られています。

法然院は、哲学の道近くに位置していることもあり、特に春秋の観光シーズンには多くの参拝者が訪れます。

境内の特徴

法然院の境内には多くの重要文化財や美しい庭園が広がっています。以下は境内の主な見どころです。

• - 本堂：延宝9年に客殿として建立された本堂には、阿弥陀如来坐像や法然上人の立像が安置されています。
• - 方丈：貞享4年に後西天皇の皇女の御殿を移築したもので、狩野光信による襖絵が重要文化財に指定されています。
• - 方丈庭園：ここには「善気水」と呼ばれる名水が湧き出ており、浄土庭園として多くの参拝者に親しまれています。
• - 講堂：元々は1694年に建立された大浴室が1977年に改装され、現在は様々な展示会の場として利用されています。
• - 鐘楼や経蔵：これらも重要な文化財として地域に根付いています。
• - ガラス枯山水「つながる」：有名な現代アートとして参道に設置されています。

アクセスと拝観

法然院は京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町30に位置し、京都市営バスの法然院町バス停から徒歩6分でアクセス可能です。また、浄土寺バス停や南田町バス停からも近く、それぞれ徒歩10分、徒歩3分で到着できます。

境内は無料で拝観でき、通常は6時から16時まで開放されています。ただし、本堂などの建物内は普段は非公開ですが、春と秋に年2回の一般公開が行われ、詳細は公式ホームページで確認できます。この期間中は大学の古美術部の学生がガイドとして常駐し、陶器や民芸品の展示即売会も行われます。また、講堂は現在貸しギャラリーとしても利用され、小規模な写真展や絵画展などが開催されることもあります。

法然院は歴史と文化を感じつつ、ゆったりとした時間を過ごすことができる特別な場所です。

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