波百一型潜水艦

波百一型潜水艦

波百一型潜水艦（はひゃくいちがたせんすいかん）は、大日本帝国海軍に所属していた潜水艦の艦級です。この艦級は、太平洋戦争中に主に輸送目的で開発され、潜水輸送小型（せんゆこがた）としても知られています。武装には魚雷発射管や艦載砲が装備されておらず、機銃のみで自衛を行う単純な構造でした。

波百一型潜水艦は、父島や南鳥島といった近海において兵員や物資の輸送任務を遂行したほか、哨戒任務や時には蛟龍の母艦としても活用されました。戦時中の厳しい環境においても、輸送や情報収集の役割を果たすために重要な存在となりました。

1944年から1945年の間に、合計で10隻が竣工しました。興味深いことに、これらの艦は戦時中に戦没することはなく、戦後直ちに処分されました。このことからも、波百一型潜水艦が有効に運用されたことが伺えます。

同型艦と潜水隊の変遷

波百一型潜水艦の同型艦には、波102、波103、波104、波105などがあり、それぞれが異なる任務に従事していました。また、波百一型潜水艦は第六艦隊第7潜水戦隊に所属し、特に第十六潜水隊として再編成されました。この部隊は、主に中部太平洋の広範な地域での輸送や哨戒任務を担当していました。

第十六潜水隊は、もともと海中3型で編成された先代の艦隊が除籍されたことに伴い、昭和11年4月1日に解隊された後、再度編成されたものです。波百一型潜水艦と丁型潜水艦（伊369及び伊372）で構成されており、昭和20年9月2日に解隊されるまで、約1年半にわたり活動を続けました。

具体的には、1945年には波101、波102、波104を含む艦隊が編成され、指揮官には今和泉喜次郎大佐が任命されました。同年の4月15日には波103が、5月17日には波105がそれぞれ部隊に加わり、活動を続けました。しかし、7月1日には波103と波105が別の潜水隊に転出し、活動の幅が変わることとなりました。7月18日には横須賀で伊372が戦没し、翌月には解隊されることとなりました。

参考文献と関連項目

波百一型潜水艦についての詳細な情報は、雑誌「丸」編集部による『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』（光人社、1990年）に掲載されています。この資料は、艦隊の歴史を理解する上で貴重な情報源となるでしょう。関連項目には、丁型潜水艦や伊号第三百七十三潜水艦、三式潜航輸送艇など他の日本海軍の艦艇があり、戦時中の日本の海軍力を総合的に学ぶために、ぜひ考察してみてください。

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