洋白

洋白（ようはく）

概要

洋白とは、銅、亜鉛、ニッケルからなる合金で、主に金属製品や装飾品に広く利用されています。この材料は、銅が50%以上を占めるため、銀白色の外見を持ち、見た目にも美しいです。洋銀やニッケルシルバーとも呼ばれますが、実際には銀を含まない点に注意が必要です。スペイン語ではアルパカ（alpaca）と呼ばれ、国や地域によって名称が異なることがあります。

特徴

洋白の特性は、銅を50〜70％、ニッケルを5〜30％、さらに亜鉛を10〜30％含むことから、柔軟性や加工のしやすさが特徴です。また、耐食性も高く、様々な環境での利用に適しています。金属としての強さに加えて、引っ張り強さも優れており、黄銅よりも機械的特性において優位です。特に、ニッケルが増加するとバネ性が向上し、亜鉛が増えることで強度が高まり、銅が増えると延性が増します。これにより、さまざまな用途に最適な特性を持つ合金として重宝されています。

用途

洋白は、その通電性と加工の容易さから、鉄道模型のレールなどにも使用されることが多いです。また、装飾品や楽器、電気抵抗線、ばね材料、さらには耐久性が必要な太鼓のリムなど、さまざまな分野での利用が見られます。特に、銀メッキを施したカトラリーは「洋白銀器」と呼ばれ、見た目の美しさと実用性の両方を兼ね備えています。

ニッケルの歴史は比較的浅く、1751年に単体金属として分離されました。これ以降、特殊鋼や合金添加材として重宝されるようになり、国家備蓄用に硬貨の材料としても使用されました。例えば、日本では2000年に発行が開始された2代目五百円[[硬貨]]が、この合金を使用しており、銅72%、亜鉛20%、ニッケル8%の割合で作られています。また、2021年には、3代目五百円[[硬貨]]の外縁部分にも洋白が利用されており、貨幣の世界でも重要な役割を果たしています。貨幣としての洋銀貨は、ニッケル成分がさらに少ない銀や錫を含んだ合金が採用され、19世紀のスイスやオーストリア、ドイツで小額硬貨に使用されていました。

規格

洋白に関する規格は、JIS H 3110 (2006年)『りん青銅及び洋白の板並びに条』や、JIS H 3130 (2006年)『ばね用のベリリウム銅，チタン銅，りん青銅，ニッケル－すず銅及び洋白の板並びに条』などが存在します。これらは、洋白の特性を示す重要な基準となっています。

関連項目

洋白と同様に、銅と亜鉛を主成分とした黄銅や、銅と錫を用いた青銅、そして白銅と呼ばれる銅とニッケルの合金も成形されています。それぞれの合金は違った性質と用途を持ち、多様な工業製品や装飾品に利用されています。

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