洞泉寺 (岐阜市)

洞泉寺（とうせんじ）は、岐阜県岐阜市向加野に位置する曹洞宗の寺院で、山号を龍徳山と称します。本尊として釈迦如来を祀り、美濃四国八十八ヶ所霊場の第87番札所として知られています。

創建は室町時代の延徳年間（1489年～1492年）に遡り、麟巌（または麟岸）和尚によって洞川寺として開かれました。しかし、その後、住持が不在となり、寺は一時的に荒廃してしまいます。時が流れ、安土桃山時代の文禄年間（1593年～1596年）に、東田全久院道院の法を継ぐ水岸本滴によって再興されました。この再興により、洞泉寺は新たな歴史を刻み始めます。

江戸時代の慶安元年（1648年）には、寺号を現在の洞泉寺に改められました。しかし、寺は文政5年（1822年）に起こった失火により、大部分が焼失するという大きな被害を受けます。幸いなことに、本尊をはじめとする寺宝の一部は難を逃れ、焼失を免れました。その後、復興が進められ、嘉永6年（1853年）には鐘楼門が再建されました。さらに、平成18年（2006年）には、現在の本堂が建立され、往時の姿を取り戻しました。

洞泉寺は、創建から数々の変遷を経て、今日に至ります。美濃四国霊場の札所として、地域の人々からの信仰を集め、静かで落ち着いた雰囲気は訪れる人に安らぎを与えています。歴史ある寺院として、その存在は地域文化の一翼を担い、その歴史は今もなお受け継がれています。

参考文献として、1918年に山県郡教育會が発行した『山県郡志』の158ページに、洞泉寺に関する記述があります。また、詳細については、洞泉寺の公式ウェブサイトも参照できます。

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