洞泉寺 (岩国市)

洞泉寺の紹介

洞泉寺（とうせんじ）は、山口県岩国市にある曹洞宗の寺院であり、歴史的な重要性を持つ場所です。この寺院は、特に岩国藩主であった吉川家の墓所が存在することから、地域の名所として広く知られています。また、山口県の指定史跡に指定されており、多くの人々がその歴史と美しさを堪能しに訪れます。

洞泉寺の歴史

洞泉寺の起源は1450年に遡ります。当初、安芸国の吉川経信が新庄大朝に盤目山洞仙寺を創建しました。1600年の関ヶ原の戦いの後、毛利家の移封に従い、吉川家も安芸国から周防国へ移り住みました。それに伴い、洞泉寺も1603年に現在の地へと移設され、「洞泉」という名前が付けられたと伝えられています。

吉川家墓所

洞泉寺の敷地内には、岩国藩主吉川家の代々の墓所があります。初代の吉川広家から約12代目の吉川経幹まで、51基の墓が存在し、その中には広家の妻や一族の墓も含まれています。墓所は主に二つのエリアに分かれており、山のお塔や寺谷のお塔がそれぞれ異なる墓石を持っています。

墓地に眠る人々

男性の墓としては、吉川広家をはじめ、吉川広正や吉川広嘉など、多くの歴代当主の名前を見ることができます。吉川経永や吉川経健の墓所は、別の場所である実相院に所在しています。

女性の墓には、新庄局や高玄院、天長院など、吉川家の妻や娘たちが眠っています。歴史的には名家の女性たちであり、彼女たちの存在もまた、吉川家の歴史を彩っています。

手水鉢の紹介

洞泉寺内には、特異な形状を持つ手水鉢がいくつか存在します。「誰が袖の手水鉢」は、吉川経幹の墓の近くにあり、著名な陶芸家である小堀政一によって作られました。この手水鉢の形状が着物の袖に似ていることから、その名がつけられました。

もう一つの手水鉢は「みみずくの手水鉢」と呼ばれ、吉川広家の墓の隣に位置しています。この手水鉢は、茶人としても著名な上田宗箇が1625年に寄贈したもので、歴史的価値が高い品です。

歴史的な整備

1964年には、さらに進んだ整備が行われ、吉川家納骨堂が設立されました。それ以降、この地は吉川氏の一族にとって重要な納骨場所となり、1988年には山口県の史跡に指定されました。

拝観情報

洞泉寺は無休で、入場料金は無料です。公開時間は午前7時から午後8時までとなっており、多くの人々が訪れるため、観光スポットとしても人気です。

アクセス

所在地は山口県岩国市横山1丁目10-31で、公共交通機関を利用する場合は、JR岩国駅から錦帯橋行きのバスで約15分、錦帯橋バス停から徒歩で15分の距離です。JR新岩国駅からも同様のルートが利用でき、車の場合は山陽自動車道の岩国I.Cから錦帯橋方面に向かって5分ほどで到着します。

洞泉寺は、歴史的な価値を持つ寺院として、地域の人々だけでなく訪れる観光客にも重宝されています。その深い歴史と美しさに触れることができる場所です。

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