津まつり

津まつり：400年の歴史と伝統が彩る、津市の秋祭り

津まつりは、三重県津市で毎年10月に行われる、約400年の歴史を持つ伝統的なお祭りです。津八幡宮の祭礼を起源とし、神輿渡御を中心に、様々な郷土芸能や催し物が市内各所を賑わせます。

津まつりの概要

津まつりは、津八幡宮の祭礼として代々受け継がれてきました。祭礼は10月第2月曜日のスポーツの日の前々日と前日に神輿渡御神事を、10月15日に例祭が行われます。神輿渡御神事が行われる日には、古くから伝わる「唐人踊り」「しゃご馬」「八幡獅子舞」「入江和歌囃子」などの郷土芸能の巡行に加え、「高虎太鼓」や和船山車「安濃津丸」、そして平成10年から始まった「安濃津よさこい」などの演舞や展示、販売など多彩な催し物が繰り広げられます。これらの催しは一般に「津まつり」として広く市民に親しまれています。

近年では、「安濃津よさこい」が祭りの中心と誤解されることもありますが、神輿の巡幸や「唐人踊り」などの郷土芸能の巡行は、昔から変わらぬ祭礼の重要な要素です。安濃津よさこいやその他の展示、演舞は、津まつり実行委員会をはじめとする市内の様々な団体が、祭礼に合わせて企画したイベントという位置づけになります。

2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、2022年には感染症対策を講じた上で3年ぶりに開催され、多くの人々が伝統の祭りを楽しみました。

津八幡宮と津まつりの起源

津まつりの起源は、1635年（寛永12年）に始まった津八幡宮の祭礼に遡ります。津八幡宮は、伊勢国で初めて建立された八幡宮と伝えられ、1632年（寛永9年）に津藩の二代目藩主である藤堂高次公によって現在の場所に移されました。高次は、津藩の初代藩主である藤堂高虎を合祀し、鎮守神、総氏神として崇敬するとともに、1635年（寛永12年）には各町に祭礼を執り行うよう推奨・保護しました。この祭礼が、現在の津まつりとして約400年間続いています。

現在の津まつりの見どころ

現在の津まつりでは、神輿渡御神事が行われる日に、様々な郷土芸能の巡行に加え、津市中心部で多彩な催し物が繰り広げられます。

主な見どころは以下の通りです。

郷土芸能の巡行：「唐人踊り」「しゃご馬」「八幡獅子舞」「入江和歌囃子」など、津市に伝わる伝統的な郷土芸能が市内を巡行します。
安濃津よさこい：市内外から多くのチームが参加し、エネルギッシュな踊りを披露します。
高虎太鼓：勇壮な太鼓の演奏が祭りを盛り上げます。
和船山車「安濃津丸」：巨大な和船の山車が市内を練り歩きます。
津まつり大パレード：様々な団体が参加し、市内中心部を華やかにパレードします。

また、津まつりでは、津八幡宮にて神幸祭や奉納演舞が行われ、祭りの厳かな一面を垣間見ることができます。各会場では、ご当地グルメや物産販売なども行われ、祭りならではの賑わいを創出します。

多彩な郷土芸能

津まつりを彩る郷土芸能には、以下のようなものがあります。

元気玉太鼓：津商工会議所青年部が中心となり、「不景気」の退散を願って復活させた太鼓。
しゃご馬：怖い顔をした馬が市内を駆け回り、子どもたちを泣かせる津まつりの風物詩。
津高虎太鼓：津青年会議所と華乃津会が演奏する勇壮な太鼓。
分部町唐人踊り：江戸時代の朝鮮通信使を模した踊りで、華やかな衣装と独特の踊りが特徴。
八幡獅子舞：金の獅子頭に白い胴体という珍しい獅子舞。
* 入江和歌囃子：山車の上でひょっとこが釣り踊りを披露するユニークな芸能。

これらの郷土芸能は、津市の歴史と文化を伝える貴重な財産であり、津まつりの大きな魅力となっています。

津まつりの歴史と変遷

津まつりは、江戸時代から明治、大正、昭和、平成、令和と時代とともに変化してきました。戦争による中断や、社会情勢の変化など、様々な困難を乗り越えながら、津市民の熱意によって受け継がれてきました。近年では、オンラインでの開催や、感染症対策を講じた上での開催など、新たな試みも行われています。

津まつり：津市の誇り

津まつりは、津市の歴史と文化が息づく、市民にとってかけがえのないお祭りです。伝統を守りながらも、新しい要素を取り入れ、常に進化し続ける津まつりは、これからも津市のシンボルとして、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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