津有村

津有村

津有村（つありむら）は、日本の歴史において、かつて新潟県中頸城郡に存在した村落です。現在の新潟県上越市の一部に相当する地域に位置していました。この村は、明治時代の地方制度改革によって誕生し、昭和の市町村合併期に姿を消しました。

沿革

津有村の歴史は、1889年（明治22年）4月1日、明治政府が推進した町村制の施行によって始まりました。この制度の導入に伴い、当時中頸城郡に属していた多くの村落や新田が合併し、新たな自治体として津有村が発足しました。合併の対象となったのは、以下の広範な地域です。

四ケ所村、下新町村、上新町村、池村、戸野目古新田、門田新田、戸野目村、市野口新田、茨沢村、藤塚村、新保古新田、本新保村、上雲寺村、中野新田、下富川村、上富川村、熊留新田、熊塚村、稲村、野尻村、荒屋村、虫川村、市ノ江村、桐原村、本道村、下野田村、上野田村、長面村、三王新田、下池部村、上池部村、吉岡村、剣村、角川古新田、重川新田、新屋敷村、そして四ツ辻村。

これら実に37もの村および新田が一つとなり、津有村が誕生したことは、当時の地方行政再編の規模を示す事例と言えるでしょう。広大な範囲の農村地帯を包含する形での船出となりました。

その後、津有村は太平洋戦争後の激動の時代を経て、昭和の市町村合併の波に直面します。周辺自治体との連携や将来的な発展を見据えた議論が進められ、1955年（昭和30年）2月1日、津有村は隣接する高田市に編入されることとなりました。この編入をもって、津有村は自治体としての歴史に終止符を打ちました。かつての村域は、高田市の一部となり、その後の平成の大合併を経て現在の上越市の一部を形成しています。

著名な出身者

津有村およびその前身となった地域からは、後世に名を残す人物も輩出されています。特に知られている人物の一人に、保阪潤治がいます。保阪潤治は、主に地主として地域の発展に貢献した人物ですが、同時に熱心な古典籍の蒐集家としても知られています。彼の収集活動は、日本の文化史・文献史研究において重要な足跡を残しました。保阪潤治は、町村制施行以前の戸野目村（津有村を構成した地域の一つ）の生まれです。

関連事項

津有[村]]のように、昭和期の大合併によって消滅した自治体は日本各地に多数存在します。新潟県においても、市町村の統廃合は大規模に行われました。津有村の歴史は、[新潟県の廃止市町村一覧といった項目を参照することで、より広い文脈の中で理解を深めることができるでしょう。

この解説を作成するにあたっては、『市町村名変遷辞典』（東京堂出版、1990年）を参照しています。津有村に関する詳細な情報を得るための主要な資料の一つです。

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