津軽信著

津軽信著（つがる のぶあき）：弘前藩を立て直そうとした若き藩主

津軽信著は、江戸時代中期、陸奥国弘前藩の6代藩主です。1719年に5代藩主・津軽信寿の孫として生まれ、13歳で家督を相続しました。

若き藩主の苦難

先代藩主の浪費に加え、天災が相次ぎ、信著が藩主となった頃の弘前藩は財政難に苦しんでいました。凶作、津波、洪水、疫病、害虫の発生、大火、地震など、領民の生活は困窮し、藩の財政も悪化の一途をたどりました。幕府からの評価も低く、まさに苦難の幕開けでした。

藩政改革への挑戦

信著は、この危機的状況を打破するため、藩政改革に乗り出します。当初は先代からの家臣や藩政を踏襲していましたが、15歳頃から家臣の入れ替えを行い、本格的な改革に着手しました。その内容は、幕府の政策に沿った倹約令や借米制度の導入などでした。

改革の内容

改革の方向性は、幕府の享保の改革に沿ったものでした。藩士には倹約を命じ、正装を簡略化して無駄を省きました。困窮する農民に対しては、富豪から御用金を徴収して救済に当てました。また、城下に訴訟箱を設置して広く民間の意見を求め、蘭学を中心とした文武を奨励するなど、多岐にわたる政策を実行しました。

改革の頓挫と早すぎる死

しかし、1744年、弘前城下で大火が発生。その直後、信著は26歳の若さで病死してしまいます。彼の死によって、藩政改革は一旦頓挫。家督は長男・信寧が継ぎました。

信著の遺産

信著は若くして藩主となり、相次ぐ天災による藩の財政難を克服するため、幕府の政策に沿った藩政改革を断行しました。その改革は道半ばで終わってしまいましたが、彼の意志は後継者に引き継がれ、弘前藩の立て直しに貢献しました。


系譜
父：津軽信興
母：綱姫、梅応院 - 近衛家熙の養女、醍醐冬基の娘
正室：浄心院 - 有馬則維の三女
側室：円受院
子女
長男：津軽信寧（1739-1784）
次男：仙石好古

偏諱を受けた人物
津軽著高（黒石津軽家当主）
津軽著教（叔父、津軽信寿・四男）
佐藤著恒（信寿（以来）の家臣、信寿に重用されていた）

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