洲原神社

洲原神社（すはらじんじゃ）

洲原神社は、岐阜県美濃市須原に位置する神社で、全国に49社ある洲原神社（須原神社）の総本社として知られています。「正一位洲原白山」とも呼ばれ、古くから白山信仰の重要な拠点となってきました。

概要

洲原神社は、白山登拝の美濃馬場からの前宮として、長瀧白山神社や白山中居神社とともに、白山信仰の中心的な役割を果たしてきました。豊作、厄除け、夫婦和合、子授けなど、幅広いご利益があるとされ、現在でも田畑に蒔く御砂や田畑札を求めて遠方から参拝者が訪れます。「お洲原さん」「洲原大神様」として地域の人々から深く敬愛されています。

特殊神事として、旧暦12月1日に近い日曜日には白山大神を迎える「垢離取祭」が、旧暦4月8日に近い日曜日には白山大神を山に帰す「神送り祭」と「御田植祭」が執り行われます。

現在の本殿は江戸時代初期に建立されたもので、その歴史的価値から岐阜県指定重要文化財に指定されています。

歴史

社伝によれば、洲原神社は養老5年（721年）に泰澄によって建立されました。以降、明治時代に至るまで、大家家、宮脇家、執行家の三神主家が神社を率いてきました。伝承によれば、洲原白山成立以前にこの地に存在した牛頭天王社の神主であった宮元家が、洲原社成立に伴い宮脇家に改名したとされています。大家家は泰澄禅師の弟である三神泰定を祖とし、執行家は元正天皇の病気平癒の祈願に派遣された伴安麿を祖とすると伝えられています。

康正2年（1456年）には火災により宝蔵が焼失し、古記録も失われました。太閤検地前には700貫に及ぶ所領を有していましたが、検地後には大半を失い、27石余りとなりました。その他、上河和村、下河和村、新部村、曽代村、洲原村に神山を所有していました。

戦国時代には観音院という別当寺が存在し、天正17年（1589年）には実融、正保4年（1647年）には空政、寛文9年（1669年）には範遍が住職を務めていたと伝わりますが、延享2年（1745年）には無住となり廃絶しました。享和元年（1801年）には元正帝との由縁から正一位の神階が宣下され、明治6年に郷社、明治12年には県社に列せられました。

祭神

現在の祭神は以下の通りです。

中央本殿: 伊邪那岐命
東本殿: 伊邪那美命
西本殿: 大穴牟遅神

江戸時代に記された『洲原白山縁起』によれば、近世までは以下の祭神が祀られていました。

中央本殿: 伊弉冉尊
東本殿: 菊理媛命
西本殿: 大己貴命

文化財

洲原神社には、岐阜県指定文化財や美濃市指定文化財、国の天然記念物などが数多く存在します。

岐阜県指定文化財

建造物
本殿
中央本殿: 明暦三年(1657)
東本殿: 享保十二年(1727)
西本殿: 享保十二年(1727)
彫刻
能面３面
大べし見（江戸時代初期）
悪尉（江戸時代初期）
小べし見（室町時代後期）
工芸品
商船之図絵馬 江戸時代初期（貞享二年(1685)）
素地供物鉢 江戸時代初期
朱根来塗供物鉢 室町時代後期
朱根来塗供物台 室町時代後期
木製黒塗供物台 江戸時代初期

美濃市指定文化財

建造物
拝殿: 宝暦十年(1760)再建
舞殿: 寛文十年(1670)
楼門: 寛保元年(1741)
彫刻
狛犬（3対）江戸時代初期〜中期
工芸品
長柄銚子（3個）江戸時代
釣燈籠（3個）江戸時代
御簾（1対）江戸時代

天然記念物

国指定: 洲原神社ブッポウソウ繁殖地
県指定: 洲原神社 社叢

所在地

岐阜県美濃市須原468-1-1

交通手段

長良川鉄道越美南線 洲原駅より約0.4km。

外部リンク

洲原神社ホームページ
洲原神社 岐阜県神社庁公式ホームページ

もう一度検索