派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針

概要

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針は、労働者派遣法に基づいて厚生労働省が告示したもので、労働者派遣の適正な運営を目指しています。この指針は、派遣元事業主、つまり派遣会社が義務として遂行すべき措置を定めており、特に派遣労働者の権利や福祉を守ることに重点を置いています。平成11年の告示に始まり、法改正を受けて内容が充実してきました。

趣旨および内容

この指針は、具体的には以下の法令に基づいています：

• - 第24条の3（個人情報の取扱い）
• - 第3章 第1節 労働者派遣契約
• - 第3章 第2節 派遣元事業主の講ずべき措置等

これにより、派遣元事業主が適切かつ有効に措置を講じることが求められています。特に目指しているのは、派遣労働者の雇用の安定や生活の質の向上です。

中間搾取の抑止

平成20年度の改正では、「中間搾取」とも言われる事実上のマージンの取り分の抑制が重要なテーマとされました。この改正によって、新たに情報公開が必須化され、派遣元事業主は、以下の情報を適切に公開する義務を負っています：

• - 労働者派遣の実績
• - 派遣料金の額
• - 派遣労働者の賃金の額
• - 教育訓練の状況
• - その他事業運営の現状

このことにより、派遣労働者や派遣先が、質の高い派遣元事業主を正しく選定できる環境を整えることが意図されています。

構成と具体的措置

この指針は、趣旨や派遣元事業主が講ずべき具体的な措置に関する条項から構成されています。具体的な措置としては、以下が挙げられます：
1. 就業条件の確認: 労働者派遣契約を結ぶ前に、派遣労働者の就業条件を明確に確認する。
2. 雇用の安定: 派遣労働者が安定した雇用を得るために必要な措置を講じる。
3. 適切な苦情処理: 派遣労働者からの苦情に対して迅速かつ適切に対応する。
4. 労働・社会保険の適用促進: 派遣労働者が適切に保険を受けられるように配慮する。
5. 連絡体制の確立: 派遣先とのコミュニケーションを円滑に行う体制を構築する。
6. 就業条件の明示: 派遣労働者に対し就業条件を明確に伝える。
7. 不利益取扱いの禁止: 新たに派遣労働者になる際に不利益を被らないよう取り計る。
8. 福祉の増進: 派遣労働者の福祉を積極的に促進する。
9. 法令周知: 関係法令について関係者への周知を図る。
10. 個人情報の保護: 個人情報の適正な取り扱いを行う。
11. 特定行為の禁止: 派遣労働者を特定目的で扱う行為に協力しない。
12. 紹介予定派遣: 紹介予定派遣における適切な対応を行う。
13. 情報の公開: 以上の情報を適切に公開する。

これらの措置は、派遣労働者に対する権利の強化や、派遣先企業との調和を図るための重要な要件です。これにより、派遣労働者が安心して働ける環境の整備が目指されており、派遣業界全体の信頼性向上にも寄与しています。

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