浅野智治

浅野 智治（あさの ともはる）氏は、1971年4月17日に岡山県総社市に生まれ育った、日本の元プロ野球選手であり、現在は少年野球指導者として活躍しています。現役時代は投手としてプレーし、引退後は「アサノ・ベースボール・アカデミー」の代表を務める傍ら、古巣である読売ジャイアンツのOBスカウトとしても活動しています。プロ野球選手としては、本名の「浅野 智治」のほか、「浅野 友晴」、「浅野 伴治」という登録名も使用していました。

岡山南高校時代は、3年生時の春に中国大会でベスト4に進出。夏の県大会でも準決勝まで勝ち進みましたが、浅野投手自身の登板機会はなくチームは敗退しました。しかし、当時から甲子園出場経験はないものの、140km/h台後半の力強い速球を投じる本格派右腕として知られ、プロのスカウトからは「高校球界No.1」と評されるほどの高い注目を集めていました。カーブやフォークボールといった変化球も武器としていました。

1989年のプロ野球ドラフト会議にて、読売ジャイアンツから6位で指名を受けました。当時、社会人野球の強豪である熊谷組への入社が内定していましたが、これを辞退してプロの世界へと飛び込みます。

ジャイアンツに入団後、プロ入り直後から肩の故障に悩まされ、投手としてのコンディション維持に苦労しました。最高球速は153km/hを記録するなど、その潜在能力の高さを示す場面もありましたが、度重なる故障の影響もあり、残念ながら一度も一軍の公式戦で登板する機会を得ることはできませんでした。ジャイアンツには1990年から1997年まで8年間在籍し、この間に登録名を数度変更しています。1990年から1991年、そして1995年から1996年までは「浅野 智治」、1992年から1994年は「浅野 友晴」、そして1997年には「浅野 伴治」と名乗りました。背番号も、入団当初の63番から、57番、そして67番へと変遷しました。1997年オフにジャイアンツから自由契約となります。

自由契約後、近鉄バファローズの入団テストを受験し、これに合格。1998年からは近鉄の一員として再起を図りましたが、ここでも一軍での登板機会は訪れず、同年限りで現役生活にピリオドを打つこととなりました。

現役引退後は、故郷である岡山県に戻り、家業である建設業に携わる傍ら、野球への情熱を少年たちの指導に注ぐことを決意します。2005年頃からは、小中学生を対象とした野球塾「アサノ・ベースボール・アカデミー」（浅野野球塾）を開校し、代表として自らの経験に基づいた指導にあたっています。アカデミーからは、楽天ゴールデンイーグルスに入団した引地秀一郎選手のようなプロ野球選手も輩出しており、その指導力は高く評価されています。

長年にわたる少年野球指導の実績と手腕が評価され、2020年6月27日には古巣である読売ジャイアンツとOBスカウト契約を結びました。現在は、主に岡山県内の有望な若手選手の情報を収集し、ジャイアンツ球団に提供する重要な役割を担っています。また、硬式野球の指導に加え、社会人の軟式野球チームの指揮も執っており、全国大会への出場実績も有するなど、幅広い分野で野球に貢献し続けています。

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