浅野泰久

浅野 泰久（あさの やすひさ）

浅野泰久は、日本の著名な農芸化学者であり、現在富山県立大学の生物工学研究センター所長及び工学部教授として勤務しています。専門分野には、酵素化学、酵素工学、応用微生物学、有機化学などが含まれます。彼は京都大学で農学部の学士号を取得し、その後同大学院で農学博士の学位を得ました。2011年には紫綬褒章を受章し、その業績が広く評価されています。

学歴・生い立ち

浅野は、富山県立富山中部高等学校を卒業後、1975年に京都大学農学部の農芸化学科を卒業しました。1980年には同大学の大学院農学研究科で研究を続け、1982年に農学博士の称号を取得しました。彼の学位論文は「微生物によるニトリル化合物の分解に関する研究」（タイトルは英語）であり、この研究は微生物学に関連する重要なテーマでした。

職歴

博士号取得後、浅野はアメリカに渡り、1982年から1984年にかけてパデュー大学とオハイオ州立大学で博士研究員として活動しました。日本に帰国後、相模中央化学研究所にて研究員として勤務し、後に副主任研究員に昇進しました。1990年には富山県立大学の工学部に助教授として着任し、その後1995年には教授任用を受けました。また、2006年から2010年にかけて生物工学研究センターの所長を務め、2018年にも同職に復帰しました。2011年には附属図書館の館長も兼任しています。

さらに、浅野は独立行政法人科学技術振興機構の「ERATO」事業において「浅野酵素活性分子プロジェクト」の研究総括を担当しました。このプロジェクトは、大学と機構が共同で行うもので、特に農業やバイオテクノロジー分野において重要な役割を果たしました。こうした研究活動が多くの技術革新につながっており、科学界に貢献しています。

研究業績

浅野の研究は主に酵素化学や酵素工学、応用微生物学に焦点を当てています。特に、彼は生物由来の酵素を遺伝子組み換え技術などを用いて改変し、有用物質の生産につなげる研究に従事しています。これにより、環境への配慮を重要視しながら、新しいエネルギー源や資源の開発に寄与することを目指しています。

受賞歴

彼の卓越した研究成果は、数々の賞によって認知されています。1990年には有機合成化学奨励賞、1991年には農芸化学奨励賞を受賞し、1993年にはとやま賞を獲得しました。その後も、日本化学会化学技術賞や日本農芸化学会賞、さらには2011年の紫綬褒章など、多くの賞を受賞し続けています。

浅野泰久の業績は、農芸化学の分野において特に顕著であり、彼の研究は今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

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