浜岡町駅

浜岡町駅

浜岡町駅（はまおかちょうえき）は、かつて静岡県小笠郡浜岡町（現在の御前崎市）に存在した、静岡鉄道駿遠線の鉄道駅です。駿遠線は、日本一の長さを持つ軽便鉄道として知られていました。この駅は、その長い路線の途中に位置し、地域の交通を支える重要な役割を果たしていました。

歴史

浜岡町駅は、開業当初は別の名称でした。駅の歴史は以下のように推移しました。

1948年（昭和23年）1月20日: 静岡鉄道駿遠線の新三俣駅から池新田駅（現在の浜岡町駅）までの8.2kmの区間が開業しました。この時点での駅名は「池新田駅」でした。
1948年（昭和23年）9月6日: 池新田駅から地頭方駅までの7.1kmの区間が開業し、これにより駿遠線は全線開通しました。池新田駅は路線の途中駅となりました。
1955年（昭和30年）4月1日: 駅が所在していた池新田町が合併により町名を変更したことに伴い、駅名も池新田駅から「浜岡町駅」へと改称されました。
1964年（昭和39年）9月27日: 静岡鉄道駿遠線の新三俣駅から堀野新田駅までの13.1kmの区間が廃止されると同時に、浜岡町駅もその歴史に幕を下ろし、廃駅となりました。

当時の状況

浜岡町駅は、池新田の市街地からはやや南に離れた場所に位置していました。この周辺の区間は、かつて陸軍遠江射場の専用軌道が通っていた跡地を利用して建設されましたが、線路自体は新たに敷設されたものです。駅は浜岡砂丘にも比較的近い場所にありました。

駅前には商店が軒を連ねており、地域住民の生活の一部となっていました。特に、地元の池新田高校へ通学する生徒にとって、浜岡町駅は重要な交通手段であり、多くの高校生に利用されていました。

しかし、廃止が近づくにつれて列車の運行本数が減少傾向となり、駅は無人化されました。これに伴い、かつてこの駅で行われていた新三俣方面と地頭方方面の列車交換は行われなくなり、隣接する堀野新田駅で実施されるように変更されました。

現在の様子

浜岡町駅の跡地周辺は、時代の移り変わりとともにその姿を変えました。現在では、国道150号の浜岡インターチェンジと、その近隣にあるボウリング場に挟まれた場所を通過する側道の一部として利用されています。

備考

1935年に廃止された堀之内軌道にも同名の池新田駅が存在しましたが、そちらは市街地側にあり、この静岡鉄道駿遠線の池新田駅（後の浜岡町駅）とは別の場所に位置していました。また、両者が同時期に存在したことはありません。

隣の駅

静岡鉄道駿遠線（廃止時点）

桜ヶ池駅 - 浜岡町駅 - 塩原新田駅

浜岡町駅は、池新田駅として開業し、地域の交通、特に学生の通学を支えましたが、時代の波には抗えず、短くない歴史に終止符を打ちました。その存在は、現在の御前崎市の風景の中に、わずかにその痕跡を残しています。

関連項目: 廃駅, 廃線

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