浜松市立図書館

浜松市立図書館（はままつしりつとしょかん）は、静岡県浜松市が運営する公共図書館群の総称です。現在、市内に展開する1つの分室を含む24の館舎で構成されています。

図書館の起源は、大正時代初期に遡ります。1912年に浜松青年同志会によって設立された私立浜松図書館がその源流です。1920年7月1日には公立の浜松市立図書館として開館しましたが、1945年の戦災により建物と約3万5千冊の蔵書すべてを失うという大きな被害を受けました。

戦後の復興を経て、1950年に松城町で再建・開館しました。その後、都市の発展や市町村合併に伴い、図書館ネットワークの拡充が進められます。昭和30年代以降、笠井分館や南分館といった分館の開設・閉鎖を経て、1974年には名称を中央図書館に改め、新たに南図書館が開館しました。

昭和50年代から平成にかけて、城北、西、積志、東、北、南陽、可新、はまゆうといった地域館が次々と開館し、中央図書館も改築（1981年）や駅前分室の開設（2002年、後に移転）が行われ、サービス網が広がりました。

特に2005年の大規模な市町村合併は、図書館網を飛躍的に拡大させる契機となりました。旧市町村が運営していた11の図書館が市立図書館のネットワークに統合され、これにより現在の24館体制の基礎が築かれました。合併後も、城北図書館の移転新築（2006年）や流通元町図書館（2011年）、都田図書館（2016年）の新設など、施設の整備や拡充が継続的に行われています。

この広範なネットワークは、中央図書館を核とし、移動図書館や公民館図書室を含めた全体として、2016年度末時点で2,503,957冊の蔵書を有していました。同年度には4,576,015冊の貸出が行われ、1,179,417人の利用者がありました。これは、市民の多様な読書や情報ニーズに応えていることを示しています。

市内に点在する各図書館は、それぞれの地域住民にとって身近な学習・情報拠点となっています。中央図書館や駅前分室といった中心部の館から、合併により加わった旧町村の図書館まで、地理的な特性に応じたサービスを提供しています。主要な図書館へのアクセスは、浜松駅からのバス路線網や、遠州鉄道、JR飯田線の駅などが利用され、それぞれの館の立地によって異なります。これらの図書館が連携することで、浜松市のどこに住む人でも読書や情報にアクセスできる環境が整備されています。市民生活における重要な教育・文化施設として、地域に根ざしたサービスを提供し続けています。

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