浜松高等工業学校

浜松高等工業学校の概要

浜松高等工業学校（はままつこうとうこうぎょうがっこう）は、1922年に創設された旧制専門学校であり、その設立は第一次世界大戦後の高等教育の拡充政策に基づいています。公式な略称は「浜松高工」または「浜工」です。この学校は、設立当初から機械学科、電気学科、応用化学科の3つの本科を設置し、後に通信工学科、精密機械学科、航空工学科、燃料化学科も加えられました。

この学校は関口壮吉初代校長のもと、「仁愛を基礎とした自由啓発主義」という教育理念を掲げ、技術者の育成に力を入れていました。また、電気学科に所在していた高柳健次郎助教授のテレビジョン研究が特によく知られています。

沿革の歴史

浜松高等工業学校の設立に向けては、1919年に第41帝国議会で静岡県への高等工業学校の設置が決定され、静岡県から提供された寄附金や土地を利用して、浜松市に設立されることになりました。その後、1922年には文部省の勅令により正式に設置され、1923年には校則が公布されました。

創立初期には、学校の緑化が進められ、校友会誌も創刊され、時間を追うごとに学校の歴史が豊かになっていきました。1926年には、学校の校歌と第1回卒業式が行われ、初回の卒業生が輩出されることとなります。その後も高柳健次郎教授のテレビジョン実験成功など、数々の学術的な成果が報告されることになります。

1930年代には、教育課程の改定が行われ、新たに通信工学科や精密機械学科などが設置され、1940年には東京オリンピックの準備のため、NHKに教育スタッフが割譲される事態もありました。

戦後の改革と新制大学への移行

第二次世界大戦後、浜松高等工業学校は1944年に名称を「浜松工業専門学校」に変更し、更なる技術者育成に努めました。この時期、さまざまな新設科が設けられると共に、戦後復興の要請もありました。1949年には新制静岡大学が設立され、旧制浜松工業専門学校はその工学部の基盤となりました。

1951年3月には旧制浜松工業専門学校は廃止され、学校の跡地には「テレビジョン発祥の地」の記念碑が建てられています。また、浜松高等工業学校から静岡大学工学部への移行は、浜松の工業教育の重要な歴史であり、今後も数多くの技術者を輩出することとなりました。

校長と教育方針

浜松高等工業学校の初代校長である関口壮吉から始まり、数代の校長がこの教育機関を率いてきました。各校長はそれぞれの時代において、カリキュラムの改定や教育方針の変更を行ない、地域社会に貢献できる人材を育成してきました。

このように、浜松高等工業学校は技術者育成とともに、地域との連携を大切にし、時代のニーズに応じた教育の進化を遂げてきた歴史があります。

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