浴室暖房

浴室暖房の概要

浴室暖房は、寒い浴室を快適に利用するための暖房装置です。これまでの日本の家庭は、内湯が普及する以前は、特に暖房設備を必要としていませんでした。しかし、戦後の日本では多くの家庭に浴室が作られ、その多くは建物の北側に位置しているため、寒さが厳しい場所となってしまいました。特に、入浴の習慣が外国と異なる日本人にとって、浴槽に浸かるだけでなく洗い場も使うため、洗い場が寒い状態は問題視されるようになりました。

浴室暖房の必要性

浴室でのヒートショックを防ぐための対策が求められる中、浴室暖房の重要性が高まっています。寒い浴室では、特に冬季に体が急激に温度差にさらされ、心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。この現象を防ぐためにも、浴室を適切に暖かく保つ要素は必須となっています。

浴室暖房の種類

1. 床暖房

床暖房は、床そのものを加熱して浴室を温める方法です。主に以下の3種類に分かれます。

• - 電気式: 電気を熱源にしている。
• - 温水式: 外部で温めた温水を床下で循環させる。
• - 温風式: 高温の空気が床下で循環する。

長所

• - 温水式は比較的ランニングコストが安い。
• - 温風吹出し口が無いのでほこりが舞わず、静音性があります。
• - 遠赤外線により体を芯から温めることができ、快適さが向上します。
• - 足元が温まることで、頭寒足熱の状態を保てます。

短所

• - 初期投資が高額になること。
• - 長時間床に接していると、低温やけどのリスクがあります。
• - 電気式の場合、電磁波の発生が懸念されることがあります。
• - 材質によっては、熱が伝わるまでの時間が掛かります。

2. 温風暖房

温風暖房は、電気または温水を熱源にし、温風を浴室内に送り込む暖房方法です。多くの場合、換気暖房乾燥機としても利用されます。

長所

• - 短時間での温度上昇が可能です。
• - 後付けが容易で、初期コストも比較的抑えられます。
• - 換気機能も兼ね備え、乾燥機能としても利用できます。

短所

• - ランニングコストは高くなる可能性があります。
• - 温風によって頭が熱くなり、のぼせることがあるため注意が必要です。
• - 風を感じると体感温度が低下することがあります。

3. スポット暖房

ハロゲンヒーターやカーボンヒーターなどの遠赤外線を利用した部分的な暖房方法です。

長所

• - 短時間で特定の場所を温めることができます。
• - 価格が安く、設置も簡単です。

短所

• - 広い範囲を温めるには不向きです。
• - 電気代が高額になることがあります。

4. 輻射熱による暖房

オイルヒーターによる対流や輻射熱を利用した暖房方法です。

長所

• - ゆっくりと自然な暖かさが得られます。
• - 室内の空気を汚すことなく、基本的にメンテナンスが不要です。

短所

• - 温度上昇に時間がかかり、ランニングコストが高いです。

今後の展望

浴室暖房の必要性は今後も高まると予測されます。特にヒートショックの危険性が広く知られるようになり、より快適で安全な入浴環境を求めるニーズが増えるでしょう。予算や利用方法、エコロジーへの配慮に基づいて、様々な新しい温暖化技術が開発されることが期待されています。

もう一度検索