海技士 (航海)

海技士（航海）について

海技士（航海）は、船舶の運航に従事するための国家資格であり、国土交通省が管轄しています。甲板部の船舶職員、具体的には船長や航海士として船に乗船するために必要な資格で、1級から6級までと船橋当直3級に分類されています。それぞれの級によって、操縦可能な船舶の範囲や航行区域、そして職務に必要な階級が定められています。

資格取得のための試験

国家試験は年に4回行われ、試験内容は筆記試験と口述試験からなります。これに加えて身体検査も行われ、年齢制限は設けられていないものの、一定の乗船経験が求められます。ただし、筆記試験については、乗船履歴がない受験者でも挑戦可能です。実際に資格を得るためには、より厳しい健康基準を満たすことが必要で、現役の船長や航海士であってもその条件を満たさなければならないため、特に注意が必要です。

試験科目の概要

各級の試験には、筆記と口述試験ともに以下のような科目が含まれます。

1. 筆記試験
- 計測機器
- 船舶知識（動力、設備、構造など）
- 気象知識
- 緊急時の知識

2. 口述試験
- 計測機器
- 船舶知識（動力、設備、構造など）
- 気象知識
- 緊急時の知識

3. 身体検査
- 視力、聴力、疾患の有無をチェック

この構成は1級から6級まで共通していますが、試験の難易度や求められる知識の深さは級が上がるにつれて増加します。また、船橋当直3級については、機器知識や航法、法知識、英語の理解など、より専門的な知識が求められる点が特徴です。

資格取得後のキャリア

3級海技士（航海）を取得し、さらに5年以上の実務経験を積んだ者は、教育職員免許の一環として中学校職業科2種免許や高等学校商船科1種免許を得ることが可能です。これは、海事教育機関で教鞭をとるための資格に該当します。

海技士（航海）という資格は、船舶の運航だけでなく、海事分野全般においても重要なスキルを示すものであり、その取得は多くの人々の憧れでもあります。 船員としてのキャリアを志す方にとって、この資格は必須であり、前途には広がる可能性があります。

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