海栗島

海栗島（うにしま）について

海栗島は、長崎県の対馬市に位置し、韓国との国境に近い約40kmの距離にある島です。面積は約129,766平方メートルで、海岸線の長さは約4kmにわたります。この島は、対馬市にある6つの有人島の中で、対馬本島と直接的につながっていない唯一の島です。地名の由来は、良質なウニが豊富に採れることにあります。

地理的特徴

海栗島全体は国有地として管理されており、航空自衛隊の海栗島分屯基地が設置されています。この基地は、西部航空方面隊に属し、警戒や管制を担う第19警戒隊が駐屯しています。そのため、一般の人々は通常上陸することができず、この島には民間人用の住居が存在しません。とはいえ、防衛省関連の官舎があり、基地の隊員が生活しています。そのため、海栗島は有人島として分類されています。

また、対馬本島の鰐浦で行われる「ひとつばたご祭り」の際には、特例として一般市民が上陸できる機会が設けられることがあります。この祭りの際には、自衛隊が協力して、地元の渡船が隊員の輸送を行い、民間人を含む参加者を安全に島へ運びます。

発音と名称

一般的には「うにじま」という呼称がよく使われていますが、島の正式な名称及び基地名は「うにしま」となっています。これは自衛隊の正式な文書などにも明記されており、正確な表記を用いることが推奨されています。

海栗島分屯基地の沿革

海栗島分屯基地の歴史は1903年に始まります。当初、大日本帝国陸軍省によって無線基地が設置されました。続いて1935年には砲台が完成し、第二次世界大戦の終戦まで軍事基地として機能しました。戦争後、この基地は民間に払い下げられ、一時農地として利用された時期もあります。
1955年には福岡市において航空自衛隊西部訓練警戒隊第9056部隊が編成され、1956年にはその部隊が海栗島に移転してアメリカ合衆国と共同で運用を開始しました。1959年には、運用権がアメリカから日本国に移管され、その後1961年には警戒群として編成替えが行われました。さらに、2003年には現在の第19警戒隊に改編され、今に至っています。

このように、海栗島は日本の防衛において重要な役割を果たしつつ、独特の歴史を刻んできた場所であることがわかります。海の恵みであるウニとともに、地域の文化や伝統も大切にされています。

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