海洋基本法

海洋基本法について

概要

海洋基本法（かいようきほんほう）は、日本における海洋権益を守るための基盤となる法律です。2007年7月20日に施行され、国連海洋法条約に基づいています。この法律は、海洋政策担当大臣のもとに設立された総合海洋政策本部を中心に、海洋政策を一元的に推進し、さまざまな目標を実現するための方針を定めています。

具体的には、海洋の開発と利用を通じて環境を保護すること、海洋の安全を確保すること、科学的な知見を深めること、海洋産業を健全に発展させること、国際的な協調を図ることが法律の柱となっています。これにより、日本の海洋資源を持続可能に活用しつつ、環境の保全に努めることが期待されています。

特徴

この法律の特筆すべき点は、海洋政策の推進に対して積極的な義務が強調されていることです。例えば、海洋の開発及び利用については「その積極的な開発及び利用が行われなければならない」と明記されています。また、海洋産業の健全な発展も重要視されており、「その健全な発展が図られなければならない」との表現が用いられています。

さらに、法制的及び財政的な措置が必要とされる場面においても、「法制上、財政上等の措置を講じなければならない」とルール化されており、各機関が取り組むべき課題が明確化されています。これにより、海洋に関する政策の実行を促す仕組みが整えられています。

海洋基本計画の概要

海洋基本法は以下のようなメイン項目で構成された海洋基本計画をもとに政策を推進しています。

• - 海洋資源の開発及び利用の推進
• - 海洋環境の保全
• - 排他的経済水域の開発
• - 海上輸送の確保
• - 海洋の安全確保
• - 海洋調査の促進
• - 海洋科学技術の研究開発
• - 海洋産業の振興と国際競争力の強化
• - 沿岸域の総合的管理
• - 離島の保全
• - 国際的な連携と協力の推進
• - 海洋に関する国民の理解の向上

これらの項目は、日本が海洋に関する多面的な課題に直面していることを反映しており、各施策は相互に関連しています。

制定過程

海洋基本法は、2007年4月3日に衆議院国土交通委員会で全会一致で可決された後、同日の衆議院本会議でも賛成多数で可決されました。その後、4月19日に参議院国土交通委員会、4月20日に参議院本会議においても賛成多数で可決され、成立に至りました。この法案は、自民党、公明党、民主党、共産党、国民新党といった幅広い党派から支持される一方で、反対票を投じたのは社民党のみでした。

海洋基本法は、日本の海洋政策の土台を築くものであり、今後において海洋に関する重要な政治的・経済的な議論の中核をなすと期待されています。

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