海洋療法

海洋療法（タラソテラピー）とは

海洋療法（かいようりょうほう）は、タラソテラピー（thalassotherapy）の日本語訳です。タラソテラピーは、ギリシャ語の「thalasso（海）」とフランス語の「therapie（治療）」を組み合わせた言葉で、フランス医学アカデミーによって「海洋性気候の作用の中で、海水、海藻、海泥を用いて行う治療」と定義されています。

海洋療法の種類と効果

海洋療法は、大きく分けて直接利用と間接利用の2種類に分類できます。

直接利用

海水ハイドロセラピー: 海水に直接触れることで、海水の物理的な作用（浮力、水圧）や薬理作用、心理作用が期待できます。
海藻療法（アルゴテラピー）: 海藻に含まれる豊富なミネラルやビタミンが肌の調子を整え、美容効果が期待できます。海藻を直接肌に塗布したり、海藻エキスを配合した化粧品を使用したりします。
海泥療法（ファンゴテラピー）: 海泥の優れた吸着効果により、毛穴の汚れを取り除き、肌を滑らかにする効果が期待できます。海泥をパックとして使用したり、海泥を含んだ入浴剤を使用したりします。

間接利用

地形療法: 海岸沿いの起伏に富んだ地形を歩いたり、運動したりすることで、心肺機能の向上やリラックス効果が期待できます。
転地療法: 海洋性気候の地域に滞在することで、心身の疲労回復やリフレッシュ効果が期待できます。
イルカ介在療法: イルカとの触れ合いを通じて、発育発達障害、ダウン症、脳性麻痺、自閉症、うつ病などの症状改善を目的とする心理療法です。

海洋療法の分類、手法、作用機序は、温泉療法と類似する点が多くあります。

日本国内の体験施設

日本国内には、海洋療法を体験できる施設がいくつかあります。

アクアスやいづ（静岡県焼津市）
ラグーナ蒲郡（愛知県蒲郡市）
タラサ志摩（三重県鳥羽市）
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド（兵庫県神戸市）
スパ・タラソ天草（熊本県上天草市）
ザ・テラスクラブ アット ブセナ（沖縄県名護市）
かりゆし カンナ タラソ ラグーナ（沖縄県国頭郡宜野座村）

参考文献

中山祐次郎著『医者の本音』SBクリエイティブ株式会社、2019年2月27日、101-103頁

関連項目

ヘルスツーリズム

外部リンク

国立大学法人琉球大学ヘルスツーリズム研究分野 ウェルネス研究プラットホーム
* フランスの専門医からみたタラソテラピー:海洋療法　Deledicque, Alain G.著

注意: し〜うらんど海遊館（青森県五所川原市）、深層水体験施設 タラソピア（富山県滑川市）、タラソ 奄美の竜宮（鹿児島県奄美大島）は現在閉館または休館しています。

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