海童神社 (新上五島町)

海童神社について

海童神社（かいどうじんじゃ）は、長崎県新上五島町有川郷船津地区にある神社で、応護島の中に位置しています。この神社は、その特異な鳥居が注目されていますが、特に鯨の顎骨を使用したものが有名です。

祭神

この神社の主祭神は海童神で、さらに蛭子神が配祀されています。蛭子神は、当地の蛭子神社から合祀された神で、地域の文化に深く関わりがあります。

歴史

海童神社の創建時期は明確にはわかっていませんが、幾つかの資料によると、元和3年から元和5年の間に有川村において毎年6月17日に溺死者が相次いだことが背景にあります。この問題の解決を目指し、高井良福右衛門が海童神から神託を受けて神子島に石祠を設け、海童神を奉祀したとのことです。その後、初めて行われた例祭では、「二〇加踊り」という即興の寸劇が奉納され、溺死者が減少する結果となりました。

実際には、二〇加踊りは地域の年中行事、現在の十七日祭りとして毎年開催されています。しかし、最近の研究により、伝えられてきた歴史の中には矛盾点があることが指摘されています。江戸時代中期から明治初期にかけての資料では、慶長3年に祖母君神社が奉遷された際、有川湾の中ノ島に龍神を祀った際の記述があります。これが応護島の名前の由来とされています。また、「乙名役」という役職は江戸時代に存在したもので、高井良福右衛門が言及されるのはその後の時代であることが確認されています。

明治中期には、船津・蛭子神社が合祀され、さらに大正時代の41年には祖母君神社と合祀されました。この際には石祠が残されたものの、1947年に新たに鳥居が建立され、1973年には現存する鯨の骨を使った鳥居が奉納されました。さらに、2004年には有川港の整備事業の一環で埋め立てが行われ、陸続きとなりました。

祭りと神事

海童神社では特に重要な祭礼として「十七日祭」が7月に行われます。また、8月には「魚供養祭」も開催され、地域の漁業とのつながりが感じられる神事が行われています。たくさんの信者や地域住民が参加し、神事を通じて地域全体が連携を深めています。

その他の神社

近くには有川神社も存在し、地域の神社としての役割を果たしています。これらの神社は、地域住民にとって大切な信仰の場であり、文化的な資産でもあります。

以上のように、海童神社は長い歴史と独自の文化を持ち、地域の人々に深く根ざした存在であることが理解できます。

もう一度検索