海軍戦争検討会議記録

海軍戦争検討会議記録について

海軍戦争検討会議記録は、日本の太平洋戦争に関する重要な文書であり、1945年12月22日から1946年1月23日にかけて開催された特別座談会の内容をまとめたものです。この会議は、当時の日本海軍の指導者たちが一堂に会し、開戦の経緯や戦争の総括を議論するものでした。後に、毎日新聞社の記者であった新名丈夫によって編纂・出版されました。

会議の目的と参加者

この会議の主な目的は、なぜ日本海軍が太平洋戦争に突入したのかを検討することでした。出席したメンバーは、海軍の高官であり、議論には主に以下のような人物が名を連ねました：

• - 永野修身（軍令部総長、元帥海軍大将）
• - 及川古志郎（海軍大臣）
• - 岡敬純（海軍省軍務局長）
• - 豊田貞次郎（外務大臣）
• - 吉田善吾（海軍大臣）
• - 井上成美（海軍次官）
• - 近藤信竹（軍令部次長）
• - 沢本頼雄（海軍次官）

この請負において、出席者たちは戦争の経緯や国際情勢について意見を交換しました。特に、日独伊三国軍事同盟についての発言が目を引きます。豊田や及川は同盟が必要だった背景を述べる一方で、井上は海軍が陸軍に追随することの危険性を指摘しました。彼は陸軍内部の動向や統制の欠如を懸念しており、「海軍が国を救う唯一の存在である」という立場を強調しました。

会議の内容とその影響

また井上は、及川に対し「なぜ戦えないとはっきり言わなかったのか」と問いかけ、及川は古い海軍の伝説的な指導者である東郷平八郎の影響を挙げて、自身の考えを述べました。このように、会議では様々な意見が交わされ、参加者たちの間で緊張感が漂ったことが伝わります。

この会議の記録は英訳され、連合国軍総司令部に届けられるようですが、その後の出版によって「海軍善玉・陸軍悪玉」という論調が広まり、海軍の立場が擁護される一因となりました。歴史的な観点から見れば、この記録は日本の軍部の戦争責任を考えるうえで欠かせない資料とされていますが、その解釈に際しては注意が必要とされました。

記録の出版とその後

元々この記録は、外部に公表する意図はなかったと言われていますが、後に新名がこれを発掘し、1976年に『海軍戦争検討会議記録』として出版されました。さらに、2022年には新版が公開され、さらなる研究が進められています。

また、海軍の反省会という秘密の集まりも1980年から11年間にわたり開催されており、これがNHKで放送されたのも記録の重要性を示しています。このように、海軍戦争検討会議の記録は、単なる歴史資料を越え、日本の戦争責任を再評価するための鍵となる情報を提供しています。

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