海軍技術研究所

海軍技術研究所について

海軍技術研究所（かいぐんぎじゅつけんきゅうじょ）は、日本海軍の重要な研究機関であり、航空機、化学兵器、通信機器、電波兵器など、海軍技術に関連する多様な研究開発を行いました。1923年に設立され、さまざまな研究部門が存在しました。後に航空研究部は分離され、海軍航空技術廠に統合されました。

設立の歴史

海軍技術研究所は、大正12年の1923年3月24日に海軍技術研究所令（勅令第52号）が発布され、同年4月1日に設立されました。この機関は、海軍造兵廠研究部、海軍艦型試験所、海軍航空機試験所を統合したものであり、東京府京橋区築地に位置していました。設立当初は、工務、砲熕、作業、科学、水雷、電気、造船、造機、光学、航空という10の班から構成され、さらに工作課、庶務課、会計課、医務課の4つの課が付随していました。

1924年には横須賀出張所が新設され、電信兵に関する実験や適性検査が行われるようになりました。同じ年の11月21日には霞ケ浦出張所も設置され、さまざまな研究が展開されました。1925年には研究部と工作課が分かれ、科学研究部や電気研究部、航空研究部、造船研究部という特化した研究部門が設けられました。

1927年には築地の研究所用地が他に指定されたため、目黒町三田に移転し、1930年には平塚出張所も設立されました。1932年には航空研究部は廃止され、海軍航空技術廠が新たに開設される運びとなりました。このように、海軍技術研究所は当初から多くの分野にわたる研究を行い、海軍の技術発展に寄与しました。

研究部門の進化

1934年、科学研究部が理学研究部と化学研究部に分かれ、その後も研究部の編成が行われていきました。特に、1937年には電気研究部が基礎研究、無線送信、無線受信、無線応用、音響兵器、電気応用の6科に再構成されるなど、研究がより専門化していきました。新たに材料研究部や音響研究部も設立され、1942年には実験心理研究部も新設されるなど、さまざまな技術や兵器に関する研究が進められました。

1945年には、電気研究部、電波研究部、音響研究部が廃止され、これらの研究が第二海軍技術廠に移管されました。同年11月30日、海軍省が廃止されるとともに海軍技術研究所も解体されました。終戦後、研究所の跡地には慶應義塾大学工学部が移転し、1946年8月までの間、目黒仮校舎として使用されました。

研究内容の詳細

海軍技術研究所が行っていた研究には、以下の部門が含まれました：

• - 化学研究部： 化学兵器に関連する理化学的研究や応用兵器の開発、兵器の造修方法の研究などを行いました。
• - 理学研究部： 基礎的な物理、化学、冶金学を含む基本研究を進行し、一般的な軍事技術への応用を探求しました。
• - 電気研究部： 無線通信兵器の研究が中心であり、短波通信などが研究されました。
• - 造船研究部： 艦艇の推進、抵抗、振動、動揺、強度分析に関する研究を行いました。
• - 航空研究部： 飛行機や飛行船の実験、航空無線機の開発に従事しました。

このように、海軍技術研究所はその設立以来、日本海軍の技術的進歩に大きな影響を与え続けた重要な機関であったと言えるでしょう。

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