海部駅

海部駅の概要

海部駅（かいふえき）は、徳島県海部郡海陽町に所在する阿佐海岸鉄道阿佐東線の高架駅です。この駅は、四国で初めての高架駅として1973年に開業し、当初は無人駅で終着駅としての役割を担っていました。1987年には国鉄の分割民営化に伴い、JR四国の管理下となりました。

歴史の歩み

1973年に開業した当初の海部駅は、高架駅でありながら単式ホーム1面1線という小規模な構造でした。しかし、1992年に阿佐海岸鉄道阿佐東線が開通し、新たに2番線ホームが設置されることで、接続駅となりました。この時期の特急「うずしお」は、当駅からの発着がありましたが、1992年には運行が終了し、その後は普通列車のみが停車することとなりました。

1995年には、駅の高架下に海陽町の観光案内所がオープンし、地域の観光情報源となりました。2015年にはこの施設が改装され、交流施設「あまべの杜」が設立されました。

近年の変化

2019年には、ダイヤ改正に伴う運行形態の変更がなされ、阿佐海岸鉄道との相互乗り入れが廃止されました。それに続く2020年には、DMV（デュアルモードビークル）の導入準備が進められ、当駅は更なる利用形態の変化を迎えました。2021年12月には、DMVの運行が始まるに至ります。

構造と設備

海部駅は、相対式ホーム2面1線を有する高架駅です。構内踏切を利用して上下のホーム間の移動が可能ですが、エレベーターやエスカレーターは設置されていないため、利用者のことを考慮した配慮が求められます。また、男女別と身障者用のトイレが設置され、利用者の快適さを優先した作りとなっています。

ホームの近くには、「阿佐海岸鉄道開通記念之碑」があり、これは元厚生大臣の森下元晴によって揮毫されたものです。また、2番ホーム側には「しおかぜ」というASA-101形気動車が静態保存されています。

駅周辺の環境

海部駅は、かつての海部町の玄関口としての役割を果たしてきました。駅周辺には個人経営の商店が立ち並び、東側には神社や漁港があります。毎年11月3日には七五三祭りがこの神社で行われ、地域の行事として愛されています。

駅の北側には、阿佐東線上の町内トンネルがあります。これは特殊な経緯で有名になり、さまざまなメディアで取り上げられました。

交通アクセス

駅は国道55号や複数の県道と接続しており、一般路線バスや高速バスも運行されています。特に、徳島バスの高速バスが駅近くで停車し、主要都市へのアクセスも提供しています。

海部駅は地域の重要な交通の要所として、今後の発展が期待される場所です。

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