海野美盛 (2代目)

二代目海野 美盛について

二代目海野美盛（にだいめうんの びせい）は、1864年12月13日に江戸の下谷で生まれ、1919年9月22日に他界した、日本の彫金家および日本画家です。彼の活動は主に明治時代に集中しています。美盛は水戸派の金工家である初代海野美盛の甥として、その名を受け継ぎました。彼の本名は子之吉（ねのきち）です。美盛は、彫金技術を駆使し、丸彫りの人物や動物を得意とし、やがて東京美術学校の教授として多くの後進を育てることとなりました。

美盛は若い頃から多くの著名な師匠の下で学びました。酒井道一や河鍋暁斎といった日本画家に師事し、1889年には京都に移り、四条派の巨匠である今尾景年からも学びました。京都での学びは彼の画風に多大な影響を与え、その後の作品にも色濃く反映されています。特に注目すべき彼の作品の一つは、竹を描いた「高節先生」です。この作品は、美盛の多様なスタイルと図案力を示す貴重な一例とされています。

また、美盛は小倉惣次郎から西洋彫刻の技法も学び、その経験が彼の彫金作品に新たな視点をもたらしました。彼の作品は、従来の日本の彫金技術に西洋的な要素を融合させることに成功し、時代を超えた作品として評価されています。

美盛の代表的な作品には、大正時代の「白衣観音立像」や「恵比寿図」があり、どちらも絹本に水墨で描かれています。これらの作品は彼の技術の集大成であり、一見の価値があります。特に、白衣観音立像はその静謐さと表現力から、多くの人々に感動を与えるものであり、今なお彼の名を後世に伝えています。

美盛の墓所は文京区白山にある円乗寺にあり、彼を敬愛する人々が今なお訪れています。彼の影響は、甥の飛田周山や、息子の海野建夫（1905年 - 1985年）にも受け継がれています。建夫も彫金家として名を馳せ、東京学芸大学の教授として教育活動に従事しました。このように、二代目海野美盛の芸術とその裾野は、家族を通じて受け継がれ、現代へとつながっています。彼の作品と精神は、今もなお多くの人々に受け継がれています。

もう一度検索