消防設備点検資格者

消防設備点検資格者について

消防設備点検資格者とは、消防法に基づき、消防用設備等の点検を行うことができる国家資格です。この資格は、火災発生時に消防用設備が確実に機能するよう、設置後の適切な維持管理を目的としています。消防法では、一定の防火対象物の関係者に対し、定期的な点検と消防機関への報告を義務付けており、特に人命危険度の高い施設においては、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が義務付けられています。

資格の概要

消防用設備は、設置だけでなく、その後の適切な維持管理が重要です。そのため、防火対象物の関係者には定期的な点検が義務付けられています。この点検は専門的な知識と技術を必要とするため、一定の防火対象物では、消防設備士または消防設備点検資格者による点検が求められます。

一般財団法人日本消防設備安全センターは、消防庁長官の登録講習機関として、全国各地で消防設備点検資格者講習を実施しています。

資格の種類

消防設備点検資格者は、点検できる消防用設備の種類によって、以下の3つに分類されます。

第1種消防設備点検資格者: 特定の消防用設備等の点検が可能
第2種消防設備点検資格者: 第1種とは異なる特定の消防用設備等の点検が可能
特種消防設備点検資格者: 特殊消防用設備等の点検が可能

資格取得のための講習

資格を取得するには、日本消防設備安全センターが実施する講習を受講する必要があります。講習は3日間で、最終日には修了考査が行われます。

受講資格

講習を受けるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

1. 甲種または乙種消防設備士
2. 第1種または第2種電気工事士
3. 1級または2級管工事施工管理技士
4. 水道布設工事監督者の資格を有する者
5. 特定建築物調査員、建築設備検査員、昇降機等検査員、または防火設備検査員
6. 1級または2級建築士
7. 技術士（機械部門、電気・電子部門、化学部門、水道部門、または衛生工学部門）
8. 第1種、第2種、または第3種電気主任技術者
9. 1級、2級、または3級海技士（機関）
10. 建築基準適合判定[[資格者]]検定合格者
11. 消防用設備等の工事または整備の実務経験5年以上
12. 消防行政に係る事務の実務経験1年以上
13. 建築行政に係る事務の実務経験2年以上
14. 大学、高等専門学校等で機械、電気、工業化学、土木、または建築に関する学科を卒業後、消防用設備等の工事または整備の実務経験1年以上
15. 高等学校、中等教育学校等で機械、電気、工業化学、土木、または建築に関する学科を卒業後、消防用設備等の工事または整備の実務経験2年以上

受講科目の一部免除

一定の条件を満たす方は、講習科目の一部が免除されますが、修了考査は全員が受験する必要があります。

受講料

受講料は、科目免除の有無により異なりますが、おおよそ3万円程度です。

修了考査

修了考査は、講習の最後に実施され、以下の内容で構成されます。

第1種・第2種: 消防法令関係、技術基準関係、点検要領関係
特種: 消防法令関係、設備概論関係、基礎知識関係

合格基準は、各分類で50%以上、かつ全体の70%以上の正解率が必要です。合格発表は、講習終了後約30日後に行われます。

再考査

修了考査に不合格だった場合、1年以内に1回のみ再考査を受けることができます。

5年ごとの再講習

消防設備点検資格者は、技術や法規の改正に対応するため、5年ごとに再講習を受ける必要があります。再講習を受けないと資格が失効します。

再講習受講期限

免状交付後、最初の4月1日から5年以内に再講習を受講する必要があります。

再講習受講期限の延長

やむを得ない事情がある場合は、再講習受講期限の延長が認められる場合があります。その際は、申請が必要です。

資格の喪失

以下のいずれかに該当する場合、資格を失います。

精神機能の障害により業務遂行が困難になった場合
禁錮以上の刑に処せられた場合
法に違反し罰金の刑に処せられた場合
点検を適切に行わなかった場合
資格、学歴、実務経験などを偽った場合
* 定期的な再講習を修了しなかった場合

まとめ

消防設備点検資格者は、消防用設備の安全を維持するために重要な役割を担っています。資格取得には、講習の受講と修了考査の合格が必要であり、資格取得後も定期的な再講習が義務付けられています。

もう一度検索