涙のイエスタデー

GARNET CROW 25thシングル「涙のイエスタデー」：名探偵コナンとのタイアップと節目の1曲

2007年7月4日、GARNET CROWの25枚目のシングル「涙のイエスタデー」が発売されました。この曲は、人気アニメ『名探偵コナン』との6度目のタイアップシングルとして、大きな注目を集めました。

特筆すべきは、この曲が『名探偵コナン』のオープニングテーマとして起用されたこと。デビューシングル「Mysterious Eyes」以来、実に7年ぶりの起用となります。さらに、『忘れ咲き』以来3年ぶりとなる『名探偵コナン』とのタイアップでもありました。

「涙のイエスタデー」は、GARNET CROWにとって重要な節目を迎えた作品でもあります。このシングルで、インディーズ時代を含め、彼らの楽曲総数は100曲に到達したのです。また、発売日である7月4日は、ボーカルである中村由利さんの誕生日という、何ともめでたい偶然の一致も重なりました。

楽曲制作においては、中村由利さんが何度も作り直し、完成までに時間をかけたというエピソードがあります。デモテープは2007年1月には完成していたそうですが、最終的な形になるまで、相当な試行錯誤があったことが窺えます。当初はインストゥルメンタルの収録は予定されていませんでしたが、急遽収録が決定したという経緯もあります。

シングルジャケットとプロモーションビデオ(PV)にも、細やかなこだわりが感じられます。ジャケット写真は、ビートルズのLP盤を意識したデザインとなっており、バンド名の表記もカタカナで統一されています。ディスクのデザインもレコード盤を彷彿とさせるもので、1960年代のレトロな雰囲気を醸し出しています。PVもこのコンセプトに基づいて制作されており、全編カラーのものと、一部が白黒になっているものの2種類が存在します。さらに、アレンジもバージョンによって異なっています。

『名探偵コナン』のオープニングで使用された音源と、CDに収録されている音源も、アレンジが一部異なります。特に、『名探偵コナン』のオープニングでは、サビから始まるアレンジが用いられていました。また、アルバム『LOCKS』にはアルバムバージョンとしてリアレンジされたものが収録されていますが、これは『名探偵コナン』で放送された音源に近い形で収録されています。

興味深いのは、『名探偵コナン』第507話「カラオケボックスの死角（前編）」で、江戸川コナンが「涙のイエスタデー」をカラオケで歌うシーンがあることです。アニメの世界観と楽曲が自然に融合した、印象的な演出となりました。

このシングルには、「涙のイエスタデー」の他に、「Go For It」と「一番素敵だった日」、そして「涙のイエスタデー (Instrumental)」の計4曲が収録されています。 これらの楽曲は、その後も様々なベストアルバムに収録され、GARNET CROWの代表曲として長く愛され続けています。 「Go For It」と「一番素敵だった日」は、『THE BEST History of GARNET CROW at the crest…』の初回限定盤、『GOODBYE LONELY 〜Bside collection〜』などに収録されています。 「涙のイエスタデー」は、『LOCKS』『THE BEST OF DETECTIVE CONAN 3 〜名探偵コナン テーマ曲集3〜』『THE BEST History of GARNET CROW at the crest…』『THE ONE 〜ALL SINGLES BEST〜』『GARNET CROW REQUEST BEST』など、数多くのアルバムに収録されており、その人気と重要性を改めて示しています。

「涙のイエスタデー」は、単なるタイアップシングル以上の意味を持つ、GARNET CROWにとって記念碑的な作品と言えるでしょう。楽曲のクオリティ、制作へのこだわり、そして節目としての意義、全てが相まって、長く記憶に残る一曲となりました。

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