淀車庫

淀車庫の概要と歴史

淀車庫（よどしゃこ）は京阪電気鉄道の車両基地で、京都府京都市伏見区に位置しています。京阪本線淀駅から約1kmの大阪寄りの場所にあり、保線課や淀土木基地、淀変電所も併設されています。この車庫は、宇治線内に車両基地がないため、淀車庫および寝屋川車庫から中書島駅へ向かう回送列車が運行されています。

車両収容能力と設備

淀車庫は敷地面積約94,800平方メートルを誇り、8連対応の検車庫が3線と、34線の留置線を備えています。車両収容能力は321両に達し、効率的に京阪電鉄の車両を管理、保守しています。建設は4期に分かれて進められ、現在は第3期までが完了しています。当初は、将来の第4期工事によって収容能力が400両に達し、京阪電鉄の中で最大の車庫となる予定でありましたが、2014年に計画が変更され、流通施設「京阪淀ロジスティクスヤード」として新たなビジネスがスタートしました。

歴史的背景

淀車庫の建設計画は昭和初期から始まりましたが、当初は深草車庫の拡張計画が優先されたため、長い間実現しませんでした。土壌が軟弱で水害も頻発しており、また寝屋川車庫の建設が優先されたために計画は延び延びになりました。戦後になっても一部の用地の買収は進められましたが、具体的な工事が始まるまでにはさらに長い年月がかかりました。

1972年には運輸大臣と建設大臣に建設計画の認可を申請し、1975年にはようやく工事が開始されました。

第1期工事

1975年10月に始まった第1期工事は1979年12月に完了し、1980年には正式に使用が開始されました。北側には留置線や検車庫、洗車機、事務所などが設置され、収容能力は58両からスタートしました。同年には淀土木基地も稼働し、周囲の道路や高架橋の工事も行われました。

第2期工事

1983年には第2期工事が完成しました。この工事で、6000系のための留置場所が増設され、最終的な収容能力は138両に達しました。同年には電圧の昇圧工事も進められ、古い車両の廃車が進行しました。

第3期工事

さらに1996年から1997年にかけて第3期工事が行われ、両端に新たな連絡線が追加され、南側には155両を収容できる線路が新設され、現在の収容能力である320両に達しました。

第4期工事と現在の展望

本来は第4期工事でさらに拡張する計画が進められていましたが、様々な事情によりこの計画は中止されました。代わりに物流施設として新たな展開が行われ、「京阪淀ロジスティクスヤード」という名称で設置された3棟の倉庫が稼働しています。これらの倉庫には太陽光発電パネルが設置されるなど、エコロジーにも配慮されています。

淀車庫は、京阪電気鉄道の運行管理や車両のメンテナンスにおいて非常に重要な役割を担っており、地域の交通インフラを支える重要な拠点となっています。

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