淡緑5号

淡緑5号（たんりょく5ごう）

淡緑5号は、日本国有鉄道（国鉄）が規定した特別な色名称の一つです。この色は、特に昭和31年の東海道本線全線電化に伴い、特急列車の機関車や客車に採用されました。これにより、電化完了を象徴するための特別な塗装が施されたのです。

背景と歴史

1956年11月19日、東海道本線全線が電化されると、その施行は特急列車「つばめ」と「はと」の無煙化を意味しました。この歴史的な瞬間を際立たせるため、資料から複数の塗装色が候補として挙げられ、その中から淡緑5号が選ばれました。色合いは他の車両との調和を図るために、牽引機であるEF58形電気機関車と客車の地色が統一されました。

淡緑5号の編成はその独特な色彩から非常に目を引く存在となり、愛称として「青大将」と呼ばれることもありました。この愛称は、色合いが自然の青大将（青蛇）に似ていることに由来しています。特に、映える色合いは電化を記念する象徴的な役割を果たし、多くの人々の記憶に残りました。

色の変遷

1960年には、特急「つばめ」と「はと」が電車へと移行することが決定し、これに伴い、淡緑5号の使用は減少していきました。機関車や客車は一般的な色合いへと順次変更され、徐々に淡緑5号は姿を消しました。そのため、この色が実際に使用されていた期間は比較的短命であり、特別な歴史を持つ塗装として記憶されています。

現在の状況

淡緑5号の色は過去の遺物として、2016年まで大宮工場に保存されていたEF58形93号機に再塗装されました。さらに、現在も同工場に保管されているEF58形154号機のカットボディもこの色に塗られています。興味深いことに、これらの機関車は運用中には淡緑5号の塗装にはされていなかったため、実使用の状況を見ることができませんでした。

使用された車両

淡緑5号は主に以下の車両に使用されました：

• - 国鉄EF58形電気機関車
• - 国鉄スハ44系客車

これらの車両は淡緑5号の色合いを纏うことで、国鉄の時代を象徴する存在となり、多くの鉄道ファンからも愛され続けているのです。

近似色と関連項目

淡緑5号に近い色合いを探索すると、国鉄色と呼ばれる他の色名前も浮かび上がります。これらは日本の鉄道における歴史や文化を象徴する重要な要素となっています。淡緑5号は、今もなお多くの人々の記憶に残る特別な色と言えるでしょう。

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