深井明

深井 明（ふかい あきら）

深井 明（ふかい あきら）は、1935年（昭和10年）11月1日に埼玉県で生まれた日本の政治家です。長きにわたり地方政治の世界で活躍し、特に埼玉県議会議員として連続8期にわたりその職を務めた実績を持ちます。また、埼玉県議会の議長という重責も担いました。政治家としてのキャリアは、まず大宮市議会議員から始まり、そこでも2期連続で当選し、副議長も経験しています。所属政党は、活動初期には新自由クラブに参加していましたが、後に自由民主党へと移籍し、同党の埼玉県支部連合会で幹事長も務めました。

経歴

埼玉県比企郡川島町の出身で、学歴は比企郡立出丸中学校を卒業しています。政治活動の第一歩は、1971年（昭和46年）に大宮市議会議員選挙に立候補し、初当選を果たしたことに始まります。市議会議員としては2期連続で当選し、2期目の1975年（昭和50年）には大宮市議会の副議長に就任しました。市議会議員を務めた後、1979年（昭和54年）に埼玉県議会議員選挙へと活躍の場を移し、こちらも初当選。以後、連続して当選を重ね、合計8期にわたり県議会議員としての職責を果たしました。県議会では、1992年（平成4年）3月に副議長を経験し、さらに2008年（平成20年）3月には第110代埼玉県議会議長に選出されています。特に2007年（平成19年）4月の統一地方選挙では、新人候補らを相手に圧倒的な得票差で8期目の当選を決めるなど、その強固な地盤と影響力を示しました。

人物像と活動

深井氏が政治家を志すきっかけとなったのは、自身が住む地域の河川が雨のたびに氾濫し、住民生活に大きな影響を与えていた経験からでした。この問題を解決したいという強い思いが、公職への道を歩む原点となったといわれています。議員としては、特に鴻沼川の改修事業に積極的に取り組み、治水対策の推進に尽力しました。

また、政治活動におけるエピソードもいくつか伝えられています。例えば、2001年（平成13年）10月の県議会文教委員会では、地元小学校の運動会に来賓として出席した際に自身が紹介されなかったことに言及し、教育局に対し、運動会などで来賓の県議を紹介するよう通知を出すべきだと主張しました。学校長が「県議が来ているから一生懸命やりなさい」と一言あっても良いではないか、というのがその持論でした。

議員間では、特に元埼玉県議会議員の竹内弘文氏とは長年にわたり対立関係にあったことが知られており、かつて大宮市全域が一つの選挙区だった時代には、激しい選挙戦を繰り広げたことでも有名です。この因縁は長く続き、2007年の統一地方選挙では、「竹内氏への対抗心」から、旧知の仲である民主党の県議会議員、秦哲美氏を支援したという話も囁かれました。

その他の役職と受章

政治家としての活動の傍ら、教育や福祉分野でも要職を務めました。学校法人明和幼稚園や、社会福祉法人三恵会が運営する特別養護老人ホーム「三恵苑」で理事長を務めた実績があります。また、県議会内では、鴻沼川改修促進、防衛、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を図るなど、様々な議員連盟で会長を務めました。さらに、埼玉県議会大宮アルディージャ後援会長や、拉致問題地方議会全国協議会長も務めるなど、その活動範囲は多岐にわたっています。

長年の政治活動における功績が認められ、1995年（平成7年）には藍綬褒章を、そして2011年には旭日中綬章を受章しています。これらの受章は、深井氏の地方自治への貢献が高く評価された証といえるでしょう。

親交のあった人物としては、歌手の北島三郎氏が友人であることが知られています。

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