深圳通

深圳通（シンセンつう）とは

深圳通は、中国広東省深圳市で利用されている非接触型ICカードです。当初はバスのプリペイドカードとして導入されましたが、その利便性から利用範囲を拡大し、現在では公共交通機関から商業施設まで幅広いシーンで利用されています。

歴史と発展

2004年12月28日の深圳地下鉄開通を機に、地下鉄でも利用できる新型カードが発行されました。2005年末には、深圳通有限公司が唯一の発行主体となり、タクシー、商店、コンビニなどでの支払いにも利用可能なICカードへと進化を遂げました。将来的には、駐車料金、水道光熱費、家賃、公共施設利用料の支払いにも対応する予定です。

香港との相互利用

深圳通は、香港の八達通（オクトパス）や広州市の嶺南通との相互利用も検討されています。特にオクトパスとの相互利用については、長年にわたり協議が重ねられてきました。当初は人民元と香港ドルの決済が課題でしたが、CEPA締結以降、両通貨の決済方法が整備され、技術的な障害もほぼ解消されています。深圳市の積極的な姿勢に対し、香港政府の動きは鈍く、協議は初期段階に留まっている状況です。

購入とチャージ

深圳通は、販売スタンドや一部の専用自販機で購入できますが、販売駅は限られています。駅の窓口ではチャージは可能ですが、カードの販売は行っていません。カードを持たない場合は、乗車のたびにトークンを購入する必要がありますが、券売機は1元硬貨と5元札しか使えません。販売スタンドでは100元札でのみ購入可能なカードがあり、それ以外のカードはAlipayなどのキャッシュレス決済のみ対応しています。ごく一部の駅では対面販売も行われており、現金での購入が可能です。

嶺南通との関係

現在、深圳通は深圳市のみの独自のICカードですが（2019年11月時点）、旧型の深圳通から、嶺南通としても使えるカードに切り替わっていく見通しです。これにより、深圳市だけでなく、広州市など広東省内の全都市で互換性を持つことになります。

券種

深圳通には様々な種類のカードがあります。

租用版カード: 一般的なデポジット制のカード
銷售版カード: 買い切り型のカード
特殊優惠カード: 特定の条件を満たす人が利用できる割引カード
銀行連名カード: 銀行と提携したクレジットカード機能付きカード
紀念カード: 記念デザインのカード
企業個性カード: 企業向けオリジナルデザインのカード
ミニカード: 小型カード
携帯電話深圳通: 中国移動と中国聯通が提供する携帯電話に内蔵された機能
「互通行」カード: 深圳通と八達通の両方の機能を持つ連名カード。

通常のカードは、デポジット50元とチャージ50元が必要です。ハローキティや北京ダックなどキャラクターデザインのカードは、デザインによって値段が異なり、チャージ額が含まれていない場合もあるため、購入後のチャージが必要です。チャージ機では100元単位での現金チャージが可能で、窓口では50元単位でチャージできます。WeChat Payなどの電子マネーでは、チャージ機でも50元単位でのチャージが可能です。

利用可能な場所

深圳通は、以下の場所で利用可能です。

交通
市内地下鉄
市内公共バス
市内一部タクシー
市内一部駐車場
スーパーマーケット
ジャスコ
華潤万家
新一佳
コンビニエンスストア
セブン-イレブン
レストラン
バーガーキング
マクドナルド
KFCコーポレーション
* ギャラリー



深圳通は、深圳市民の生活に欠かせない存在となっています。

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