深夜食堂 (テレビドラマ)

深夜食堂：国境を越えて愛される人情ドラマ

『深夜食堂』は、安倍夜郎による同名の漫画を原作としたテレビドラマシリーズです。日本での成功を皮切りに、韓国、中国、台湾といったアジア各国でリメイクされ、それぞれの文化に合わせてローカライズされた作品が制作されています。深夜にひっそりと開店する食堂を舞台に、マスターと個性豊かな客たちが織りなす人間模様が、多くの人々の心を捉えてきました。

日本版『深夜食堂』

日本版は、アミューズほかの製作により、TBSテレビ系で第一部から第三部までが放送されました。深夜帯の放送ながら、多くの視聴者を獲得し、ギャラクシー賞を受賞するなど高い評価を得ました。その後、Netflixオリジナルシリーズとして第四部、第五部が制作され、全世界に配信されています。

シーズンごとの展開

• - 第一部: 2009年10月期に放送。深夜帯にも関わらず高視聴率を記録し、ギャラクシー賞を受賞。ファミリーマートとのコラボ商品も販売されました。
• - 第二部: 2011年10月期に放送。美術セットを拡大し、サントリーとのタイアップを行うなど、収益構造の改善が図られました。
• - 第三部: 映画化と同時に放送が決定。韓国でも同時放送され、ソウル・ドラマ・アウォードを受賞。映画との連携によるコスト削減も行われました。
• - 第四部: Netflixオリジナルシリーズとして全世界配信。外国人俳優の起用や中国での配信契約など、新たな試みが取り入れられました。
• - 第五部: Netflixオリジナルシリーズとして配信。外国人観光客が登場するなど、世相を反映した演出が盛り込まれました。

制作の裏側

第一部の制作当初は、資金回収に苦労しましたが、第二部の成功により、再放送やDVD販売などで収支が黒字化しました。各シーズンごとに、セットの規模拡大や、タイアップ、海外への権利販売など、様々な工夫が凝らされています。

韓国版『深夜食堂 from ソウル』

2015年には、SBSが舞台を韓国に移してリメイクしたドラマが放送されました。ゲイやストリッパーの登場人物を排除するなど、韓国の文化や情緒に合わせたローカライズが行われています。ソウルの高層ビル街にある伝統家屋を舞台に、キム・スンウがマスターを演じました。

中国版『深夜食堂』

2017年には、中台合作により、中国版『深夜食堂』が制作されました。アジア華語版として、中国、台湾、マレーシアで同時公開されました。ホァン・レイがマスターを演じ、即席麺を愛するOLや、ブランド好きのキャリアウーマン、ロリータファッション好きの女性など、個性的なキャラクターが登場します。

各国版に共通する魅力

『深夜食堂』は、どの国でリメイクされても、深夜にひっそりと佇む食堂という舞台設定と、そこで繰り広げられる人間模様が、共通の魅力となっています。マスターの温かい人柄や、客たちの抱える悩み、そして何よりも美味しそうな料理が、視聴者の心を掴んで離しません。

『深夜食堂』は、単なるグルメドラマではなく、人々の心の拠り所となる場所を描いた、心温まる作品です。原作漫画のファンはもちろん、ドラマ版から入った人も、それぞれの国の『深夜食堂』を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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