深川由起子

深川由起子：国際経済学の権威

深川由起子（ふかがわ ゆきこ、生年1958年）は、日本の国際経済学者として著名であり、現在早稲田大学で教授を務めています。彼女は以前、東京大学で教授をしていました。また、日本学術会議の会員としても活動しており、各種の学術的な討論や政策提言に関与しています。深川は主に東アジア経済や制度、経済の発展を研究しており、特に韓国の経済について深い知見を持っています。彼女の代表的な著作には『韓国・先進国経済論』があり、多くの研究者や実務家の参考にされています。

学歴と職歴

東京都で生まれた深川は、早稲田大学政治経済学部を1981年に卒業し、その後イェール大学大学院に進学。1995年には修士号を取得しました。この後、日本貿易振興機構（JETRO）や長期信用銀行研究所（現在の長銀総研）での勤務を経て、青山学院大学や東京大学で教鞭を取り続けました。2006年からは早稲田大学の教授として、さらなる研究と教育に取り組んでいます。

深川はまた、韓国産業研究院（KIET）での研究を行っており、コロンビア大学の日本経済研究センターや高麗大学での客員研究員として国際的な視点からの研究も行っています。彼女は第1次安倍内閣での「アジアゲートウェイ戦略」の政府相談役としても活躍し、政策提言に寄与しました。

深川由起子の主張

深川は、韓国と北朝鮮が国際社会に復帰する時、韓国の多くの問題が解決されると主張しています。彼女は、韓国と北朝鮮の自由貿易協定の締結によって、同言語を話す低賃金の労働力が確保されるとし、これに伴う土木工事の特需が不動産価格を支えると考えています。また、彼女は2016年に経団連の研究主幹として、日韓の企業間の新たな理解に基づく協力の重要性を強調しました。

一方で、深川は韓国の政治状況について批判的な見解を示しています。特に、韓国のマスコミが日韓経済の関係を競争的に報じることに対して遺憾の意を表し、日韓経済界の関係が市場論理に基づいて良好に保たれていると信じています。

彼女は2019年に韓国の要望が繰り返し新たに提起されることについても疑問を抱いています。具体的には、韓国政府が非常識だと指摘している案を期限が迫った時に持ち出すなど、一貫性が欠けている点を批判しました。この状況について、深川は内部での意見形成ができていないこと、ポピュリズムの影響を指摘し、相次ぐ要求の変更が一貫性のなさを生んでいるとも述べています。

深川は日本人が韓国に望むこととして、一貫性を持つことの重要性を強調しています。彼女の研究や主張は、日韓関係の今後に新たな視点を提供するものです。

学術的な貢献と著書

深川は多くの著書を執筆しており、特に韓国の経済発展に関するものが目立ちます。また、彼女は1998年に大平正芳記念賞を受賞しており、学界におけるその業績が高く評価されています。共著としては、『5年後の韓国』や『国際協力』、共同編集として『現代東アジア経済論』などもあります。

深川由起子は、国際経済学という専門分野において、特に日韓関係や東アジアの経済における重要な論者として今後も注目される存在です。

もう一度検索