深野徹

深野徹（ふかの とおる、1940年生まれ）は、日本の機械工学分野において多大な功績を残した研究者です。九州大学名誉教授であり、久留米工業大学の元学長としても知られています。専門は流体工学、特に混相流の研究であり、この分野の発展に大きく貢献しました。

1965年に九州大学工学部機械工学科を卒業後、同大学で研究者としてのキャリアをスタートさせました。1970年には九州大学工学部の講師に就任し、翌年には工学博士の学位を取得しています。その後、1973年に助教授、1981年には教授へと昇進し、長年にわたり九州大学で教鞭を執りました。

深野教授の研究業績は、数々の賞によっても評価されています。1989年には日本機械学会論文賞、1999年にはターボ機械協会賞を受賞しました。2000年には日本機械学会流体工学部門長を務め、同部門賞も受賞しています。さらに、2003年には流体科学研究賞を受賞するなど、その研究成果は国内外で高く評価されています。

また、深野教授は学会活動にも積極的に参加し、2001年には日本混相流学会会長、2005年には日本機械学会副会長を歴任するなど、学術界の発展にも尽力しました。2006年には久留米工業大学の学長に就任し、教育者としてもその手腕を発揮しました。

2008年には日本機械学会熱工学部門賞功績賞（永年功績賞）を受賞し、長年の功績が改めて称えられました。そして、2021年には瑞宝中綬章を受章し、長年の教育・研究活動に対する貢献が公的に認められました。

深野教授は、研究者としてだけでなく、教育者としても多くの学生を育成しました。その著書である『わかりたい人の流体工学 1』と『わかりたい人の流体工学 2』（いずれも裳華房、1994年）は、流体工学を学ぶ学生にとって非常に役立つ参考書として、現在でも多くの大学で使用されています。これらの著書からも、深野教授の教育に対する熱意と、わかりやすく伝える能力の高さが伺えます。

深野徹教授は、その卓越した研究成果と教育への情熱によって、日本の機械工学分野の発展に大きく貢献した人物として、今後もその功績が語り継がれていくでしょう。

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