清水幹夫

清水幹夫氏（1930年 - 2024年6月4日）は、北海道の放送史に名を刻んだアナウンサーです。北海道上川郡清水町出身の氏は、北海学園大学短期大学部卒業後、1953年下期にNHKに入局。帯広放送局でチーフアナウンサーとしてキャリアをスタートさせました。

その後、1959年1月、札幌テレビ放送（STV）へ移籍。STV開局と同時に初代アナウンサーとして迎えられ、4月1日の放送開始時に第一声を担当しました。これは北海道のテレビ放送史において、記念すべき瞬間であったと言えるでしょう。

STVにおいて氏は、初代アナウンス課長も務めました。課長時代には、後進の育成に尽力し、「スタジオでは日本一のアナウンサーたれ、スタジオを出れば日本で最低のアナウンサーと考えよ」という教えで、多くのアナウンサーを指導しました。石橋雄哉氏をはじめとする初期のアナウンサー陣や、後に著名となる徳光和夫氏など、多くの若手アナウンサーの育成に携わったことは、氏の大きな功績の一つです。

アナウンス課長時代を経て、氏はSTVで様々な要職を歴任しました。1960年代後半には総務部副部長、1970年代には制作部長・アナウンス部長（後に制作部長専任）を歴任。1970年代中盤には函館放送局長に就任し、北海道各地の放送活動を支えました。さらに、1980年代前半には大阪支社長、1985年からは東京支社長、1986年3月には取締役東京支社長と、着実にキャリアを積んでいきました。1989年には常務取締役社長室長に就任し、STVの経営にも深く関与。1990年に顧問に就任し、1992年に退任しました。

STV退社後も、氏は放送界への貢献を続けました。三角山放送局「土曜リレーエッセイ」のパーソナリティを担当するなど、その経験と知識を活かし、聴取者を楽しませました。2022年には、STVラジオ開局60周年を記念した番組「北海道ライブ あさミミ！」に出演。当時のラジオ放送の様子や、ラジオへの熱い思いを語りました。この出演は、北海道の放送史を語る上で重要な証言となりました。

2024年6月4日、清水幹夫氏は心不全のため93歳で逝去されました。長年に渡り、北海道の放送界に貢献した氏の功績は、多くの人々の記憶に深く刻まれています。NHKからSTVへと活躍の場を移し、アナウンサーとしてだけでなく、管理職としても北海道の放送界を牽引した氏の功績は、未来へと受け継がれていくことでしょう。氏の言葉と行動は、後輩アナウンサーたちにとって、永遠の指針となるはずです。

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