清立院

清立院（せいりゅういん）は、東京都豊島区雑司が谷に静かに佇む日蓮宗の寺院です。その歴史は古く、創建年代は明確には分かっていませんが、『江戸名所図会』の記述から、鎌倉時代中期には既に存在していたと推測されています。同書には、正嘉年間（1257年-1259年）に日蓮宗の僧侶と思われる旅僧が、この地で日蓮像を村人に授けて立ち去ったという逸話が記されています。当初は真言宗の寺院でしたが、後に日蓮宗へと改宗しました。

寺院の名称は「清龍院（せいりゅういん）」とも呼ばれることがありますが、公式には「清立院」が正しい名称です。寺院の看板や豊島区観光協会の公式サイトでも「清立院」と表記されています。

境内には、皮膚病に効くご利益があるとされる「瘡守稲荷大明神（かさもりいなりだいみょうじん）」を祀る祠があります。かつては多くの人々が皮膚病の治癒を祈願して参拝に訪れました。参拝の際には、最初は土で作った団子を供え、治癒した際には米で作った団子を供えるという作法がありました。

近年では、約20年前から寺院単独で、檀信徒とともに海上で灯篭流し供養を行っています。これは毎年7月下旬に、千葉県鴨川市の鯛の浦で行われ、故人の霊を慰める厳かな行事となっています。

また、2017年からは、お彼岸供養法要の後に、本堂にて琉球舞踊ライブを開催しています。このライブは、現住職の叔父が第二次世界大戦中に沖縄で戦死したことがきっかけで始まりました。先代住職、現住職ともに沖縄への深い思い入れがあり、音楽を通して慰霊の思いを伝えたいという願いから、このライブが企画されました。ライブの様子はYouTubeでも配信されており、多くの人々がその模様を視聴することができます。

清立院へのアクセスは、東京メトロ副都心線「雑司が谷駅」から徒歩3分と非常に便利です。都会の喧騒を忘れさせてくれる静かな空間で、歴史と文化に触れることができるでしょう。

清立院は、歴史的な背景を持ちながらも、現代的な活動も積極的に行っている寺院です。灯篭流し供養や琉球舞踊ライブなど、地域に開かれた寺院としての役割も担っています。訪れる人々は、静寂の中で歴史を感じ、心安らぐひとときを過ごすことができるでしょう。

交通アクセス

東京メトロ副都心線「雑司が谷駅」より徒歩3分

関連情報

清立院ホームページ
* 清立院Youtubeチャンネル

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