清華亭

清華亭：明治の面影を伝える和洋折衷建築

清華亭は、北海道札幌市北区に位置する、明治時代に建てられた和洋折衷の建築物です。1880年に開拓使によって建設され、1881年には明治天皇が北海道巡幸の際に休憩所として利用されました。現在は札幌市の有形文化財として保存され、一般に公開されています。

歴史

清華亭は、札幌初の都市公園である偕楽園内に、1880年に建設されました。翌年の明治天皇の北海道巡幸の際、札幌における休憩所として使用されたという由緒があります。設計は開拓使工業局が担当しました。

しかしその後、清華亭は有効な活用方法が見つからず、1897年に対馬嘉三郎に払い下げられ、会合場所や料亭として利用されました。その後、横山庄右衛門の所有となり、1912年頃から1929年頃までは貸家として人々に貸し出されました。

昭和時代に入ると、明治天皇ゆかりの地を聖蹟として崇拝する運動が起こり、清華亭もその一つとして注目されるようになりました。住宅として利用されていたことが批判されるようになり、1926年頃には清華亭保存会が結成され、河野常吉を中心に聖蹟の保存活動が行われました。保存会は1929年から清華亭の修理・保存を開始し、1933年8月には札幌市に寄付されました。同年11月には、「明治天皇札幌御小休所」として国の史蹟に指定されました。

しかし、戦後の1948年に天皇崇拝に基づく史跡指定は解除されました。札幌市は清華亭を一時的に職員の住宅として利用しましたが、1961年には明治時代の和洋折衷様式を示す歴史的建築物として、札幌市の有形文化財に指定しました。1977年から1978年にかけては、創建時の姿に復元するための修復工事が行われました。

年表

1880年（明治13年）6月 - 完成
1881年（明治14年）9月1日 - 明治天皇が清華亭で休息
1897年（明治30年）1月 - 対馬嘉三郎が払い下げを受ける
1929年（昭和4年） - 清華亭保存会が清華亭の管理を開始
1933年（昭和8年）8月 - 清華亭保存会が札幌市に清華亭を寄付
1933年（昭和8年）11月3日 - 「明治天皇札幌御小休所」として国の史蹟に指定
1948年（昭和23年）6月29日 - 上記の史蹟指定が解除
1959年（昭和34年） - 清華亭遊園が設けられる
1961年（昭和36年）6月7日 - 札幌市の有形文化財に指定
1977年（昭和52年） - 清華亭の復元・修復工事が開始
1978年（昭和53年） - 工事が完了

建築

清華亭は、木造の比較的小さな建物で、外観は洋風、内部は和洋折衷の様式を取り入れています。洋間と和室がそれぞれ一部屋ずつあり、土間のある台所、玄関、納戸、便所などが付属しています。外観も内部の間取りも左右非対称なのが特徴です。庭園はアメリカ人技師ルイス・ベーマーによって設計され、こちらも和洋折衷のスタイルとなっています。洋室がある西側が約73.7平方メートル、和室がある東側が約49.4平方メートルの広さです。

見学情報

営業時間: 9:00〜16:00
定休日: 年末年始
料金: 無料
駐車場: なし
電話番号: 011-746-1088（警備員詰所）

清華亭は、明治時代の建築様式を今に伝える貴重な文化財です。無料で一般公開されており、歴史を感じながら見学することができます。

参考文献・資料

札幌市教育委員会編『豊平館・清華亭』（さっぽろ文庫15）、北海道新聞社、1980年。
札幌市「清華亭」（清華亭で2005年に配っていたパンフレット）。
清華亭の展示資料。

関連項目

北海道の観光地

外部リンク

* 清華亭 | 札幌観光情報サイト ようこそさっぽろ

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