清野宏

清野 宏（きよの ひろし）について



清野宏氏は、1953年に長野県で生まれた日本の生物学者であり、免疫学の専門家です。彼はアラバマ大学で医学博士号を取得し、現在は千葉大学で卓越教授として活動しています。また、千葉大学未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点の初代拠点長も務めています。彼は東京大学の名誉教授であり、医科学研究所では特任研究員としても知られています。

来歴



清野氏は1977年に日本大学松戸歯学部を卒業し、すぐにアメリカに渡りました。アラバマ大学バーミングハム校のメディカルセンターで博士研究員としてそのキャリアをスタートさせ、1983年には同大学の医学系大学院を修了しました。その後、1986年にドイツのマックス・プランク生物学研究所に移り、感染症の部門で上級研究員を務めました。1991年には再びアラバマ大学へ戻り、教授職を得ます。

1994年に大阪大学微生物病研究所で教授に就任し、その後2003年から東京大学医科学研究所で教授として働きます。2011年には所長及び国際粘膜ワクチン開発研究センター長を歴任し、名誉教授の称号も得ています。清野氏は、日本ワクチン学会の理事長や腸内細菌学会の理事長、日本免疫学会の理事長など、数多くの学術組織でも重要な役割を果たしてきました。

業績



清野氏は1980年に腸管の粘膜に免疫機構が存在することを発見しました。この発見は、粘膜T細胞と上皮細胞の相互作用を理解する上で非常に重要です。その後、彼は粘膜免疫に関する研究を進め、γδT細胞やαβT細胞による免疫機構や、経口免疫寛容の誘導と制御に関する研究に取り組みました。特に2007年に開発した「飲むワクチン」は、免疫学の分野における重要な技術革新として評価されています。

著書



清野氏は多くの著書を持ち、『粘膜免疫からの感染と免疫応答機構―体の入口から呼吸器・消化器、⽣殖器、皮膚までの制御（実験医学増刊 Vol. 25-20）』という書籍がその一例です（ISBN 978-4758102872）。彼の研究成果は、この著書を通じて広く知られるところとなっています。

所属学会



彼は、日本免疫学会や日本ワクチン学会、腸内細菌学会など、さまざまな学術団体に所属しており、これらの組織においても積極的に活動しています。

関連項目



清野氏の研究は、ビフィズス菌などの腸内細菌とも関連が深く、彼の業績は日本だけでなく、国際的に免疫学とワクチン研究の発展に寄与しています。

外部リンク



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