済生会

済生会について

済生会（さいせいかい）は日本の慈善事業団体で、その公式名称は社会福祉法人恩賜財団済生会です。この団体は昭和以降、医療と福祉の提供に尽力しており、主に全国40都道府県において病院や診療所、老人施設、障害者福祉施設などを設立し運営しています。また、運営する施設は99の医療機関と280の福祉施設にのぼり、約59,000人の職員が活躍しています。

設立の背景

済生会は1911年に、明治天皇の「済生勅語」を基に設立されました。初めの下付金150万円（現在価値で約18億円）が皇室から供与され、様々な寄付金が集まりました。同年5月には設立が認可され、初代の総裁として伏見宮貞愛親王、会長には桂太郎総理大臣が就任しました。この時、内務省が組織を管理し、地方自治体と連携して事業計画を実施しました。

医療と福祉の使命

済生会の設立趣旨は、経済的に困難な状況にある人々へ医療を提供することであり、現在も無料低額診療事業を続けています。近年では、茨城県立こども病院や大阪府済生会千里病院救命救急センターなどの公立病院の運営も受託し、地域医療に貢献しています。これにより、医療と福祉の切れ目のないサービスを実現することを目指しています。

名称の由来と意義

「済生」という名称は中国の古典に由来しており、同団体では「命を救う」「国民を守る」「地域医療を支える」という三つの目標を掲げています。この理念に基づいた活動は、困窮者を助け、地域の生を守ることを重要視しています。

歴史的遺産

済生会の名前には「恩賜財団」の記載があり、その正式な表示方法には特別な配慮がなされています。また、初代総裁の和歌を元にした「なでしこ紋章」が制定され、理念の象徴として広く知られています。

組織の構成

現在の総裁は秋篠宮文仁親王、会長は潮谷義子が務めています。また、歴代の総裁は皇族が就任し、済生会の運営に寄与してきました。さらに、社会福祉法人としての認可を受けてからは、厚生労働省が監督機関となり、安心・安全な医療サービスが提供されています。

取り組み

済生会は、各地域において医療と福祉のサービスが一貫して提供されることを目指しており、全国各地で支部を持っています。支部の名称は「社会福祉法人恩賜財団済生会支部（都道府県名）済生会」となり、全国で一貫したサービスを展開しています。

済生会の取り組みは、地域社会における医療と福祉の提供に留まらず、社会全体の健康を向上させるために邁進しています。

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