渋谷シャドウ

映画『渋谷シャドウ』の詳細解説

『渋谷シャドウ』（しぶやシャドウ）は、2020年に公開された日本の映画で、田中理来、高岩遼、馬場良馬、SANABAGUN.などの人気キャストが出演しています。本作は、監督の谷健二にとって長編映画としては4本目の作品となります。特に、「MOOSIC LAB 2019」での完成披露を経ての公開が話題となりました。

あらすじ

物語は、東京の渋谷を舞台に展開します。オリンピックを控えたこの街で、主人公のリクは音信不通になった兄・ケントを捜すために千葉から訪れました。しかし、都会の喧騒に圧倒され、当初は何もできずに途方に暮れています。迷子になったリクは道行く人にケントの写真を見せ、兄の住んでいたアパートを探しに行きますが、そこには知らない外国人が住んでいて、期待が外れてしまいます。

さらに、リクは兄から送られた携帯の画像を頼りに屋上にたどり着き、全身タトゥーを入れたバンドマンのリョウと出会います。まるでリクの兄を探すために天から降ってきたかのように、リョウは面倒見の良い性格で、兄探しを手伝うことを申し出ます。その後、リョウの知り合いであるショップ「PORT OF CALL」でダサいTシャツを渋谷らしくセンスアップし、屋上の管理をしているギター屋のオーナーに画像を見せ、近くの人気パン屋「パリジャン」への手がかりを得ることになります。

そのパン屋では、店長のキッカワから知り合いのカメラマン・オカムラを紹介されますが、リョウは急にバンド仲間からの電話を受けて、ライブのトラブルに巻き込まれそうになり、リクを置いて一人で向かいます。

一方、リクはキッカワから紹介されたオカムラにリョウの兄について聞きますが、口の悪いオカムラから具体的な情報は得られず、帰り道にインスタグラムをやっているユリカと出会います。ユリカはリクに、ケントが「マサキ」と呼ばれていた可能性があることを伝えます。

リクとリョウは「AMARANTH Lounge」というバーを訪れるものの、そこでオーナーのヨウジから語られるのは、マサキが逃げ回っているという厳しい現実でした。

その後、リョウは渋谷で行われているSANABAGUN.の路上ライブを開始しますが、そこで偶然通りかかったマサキにリクが気付き、ふたりは後を追います。物語の背景には、渋谷の様々な人物たちが絡んだ複雑なドラマが立ち上がります。

登場人物

本作には個性豊かなキャラクターも数多く登場します。

• - リク（田中理来）：千葉出身で兄を探している主人公。
• - リョウ（高岩遼）：バンドSANABAGUN.のボーカルで、リクを助ける友人。
• - ヨウジ（皆川暢二）：バーのオーナーで重要な情報源となる。
• - オカムラ（永山竜弥）：フォトグラファーでリクの兄の知り合い。

制作背景

映画は2019年に制作が発表され、当初は『シャドウ（仮）』というタイトルでした。オール渋谷ロケが行われ、特に有名なSNSアカウントでの実際の路上ライブも撮影されました。本作は2020年2月に渋谷ユーロライブでのイベント上映が行われ、その後新型コロナウイルスの影響でいくつかの上映が中止になるなど、波乱の制作過程を経ました。

まとめ

『渋谷シャドウ』は、兄を捜しながら多様な人たちと出会い、成長していくリクの姿を描いています。渋谷という街の様々な側面が映し出され、多くのドラマが交錯する作品です。特に音楽シーンやストリートカルチャーとの連携も印象的で、リスナーや観客に新たな感動を与える一作となっています。

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