渡辺一樹
渡辺 一樹（わたなべ かずき）は、1990年10月2日に山梨県甲府市で生まれた日本のオートバイレーサーです。13歳でオートバイに触れ、そのキャリアをスタートさせました。
初期のレース活動は、2006年にヤマハTZ250を駆って参加した筑波サーキットの地方選手権から始まりました。Team Danke Racingに所属し、このシーズンでは第2戦から第4戦にかけて3連勝を飾るなど圧倒的な速さを見せ、年間ランキング2位という成績を残しました。
翌2007年からは、国内ロードレースの最高峰カテゴリーである全日本ロードレース選手権にステップアップし、GP250クラスに参戦を開始。初年度ながらシリーズランキング11位と健闘しました。2008年にはRACING TEAM森のくまさん 佐藤塾に移籍し、第2戦筑波で初の表彰台となる3位を獲得。シリーズランキングも8位へと順位を上げました。この年、ロードレース世界選手権（MotoGP）日本GPの250ccクラスにワイルドカードでエントリーしましたが、残念ながらウォームアップ走行中の転倒・負傷により決勝レースへの出場は叶いませんでした。
2009年はCOLT&SJ-Rに移籍。全日本では3度の3位と1度の2位表彰台に上る活躍を見せ、シリーズランキングを4位と大きく向上させました。この年も日本GPにワイルドカードで参戦し、14位で完走。念願の世界選手権ポイントを獲得しました。
2010年には全日本ロードレース選手権J-GP2クラスへの参戦を予定していましたが、経済状況の影響などにより開幕直前に計画が中止となってしまいました。シーズン前半はレースに出場できない状況が続きましたが、後半にはHondaのサポートを受け、MotoGP Moto2クラスに参戦するレーシング・チーム・ジャーマニーに加入し、アルネ・トーデの代役としてシーズン残りを戦いました。しかし、ポイント圏外でのフィニッシュが続き、来シーズンの参戦枠確保のためにポイント獲得が必要だったチームは、終盤2戦を残して渡辺との契約を終了し、スペインのライダーを起用することとなりました。
2011年シーズンは、スペイン選手権（CEV）のMoto2クラス参戦を目指しVector Racingチームと契約を結んだものの、参戦は実現せず、事実上1年間レース活動から離れることとなりました。この間、プロモーション活動としてネットラジオに出演するなどしていました。
2012年、RS-ITOH&ASIAから全日本ロードレース選手権J-GP2クラスに参戦し、見事にシリーズチャンピオンを獲得しました。この優勝は、その後のキャリアを大きく左右する重要な一歩となりました。
2013年シーズンからは、国内最高峰クラスである全日本JSB1000クラスにステップアップ。名門TEAM GREENから柳川明と共に参戦し、初年度はシリーズランキング7位を記録しました。2014年の第2戦オートポリスでは、JSB1000クラスで自身初となるポールポジションを獲得し、決勝でも3位表彰台に上りました。
また、2014年にはカワサキのファクトリーチームであるTeam Greenが13年ぶりに鈴鹿8時間耐久ロードレース（8耐）に復活し、柳川明、藤原克昭と共に参戦。トップ10トライアル予選では4番手グリッドを獲得するなど速さを見せました。決勝は豪雨に見舞われる難しいコンディションでしたが、渡辺がウェット路面で追い上げる走りを見せるも転倒を喫し、マシン修復などで大きく順位を落としながらも、チームは完走を果たし12位となりました。
JSB1000クラスではその後も活躍を続け、2015年にはシリーズランキング3位、2016年には6位を記録しました。鈴鹿8耐でも、2015年には予選2番手から決勝9位、2016年には2位表彰台を獲得するなど、強さを見せました。2016シーズンをもって、4年間所属したTeam Greenを離れることを発表しました。
2017年シーズンからは、イタリアのプライベートチーム「Team Go Eleven Kawasaki」より、スーパースポーツ世界選手権（WSS）にフル参戦。Kawasaki Ninja ZX-6Rを駆り、新たな挑戦を開始しました。
2018年には全日本ロードレース選手権に復帰し、ヨシムラスズキMOTULから参戦。2018年はシリーズランキング7位、2019年は5位となりました。
2020年からは、YOSHIMURA SERT Motulの第4ライダー兼開発ライダーとして世界耐久選手権（EWC）に参戦。並行して全日本ロードレース選手権にはスポット参戦し、2020年には菅生と鈴鹿で表彰台を獲得。2021年もEWC参戦と全日本スポット参戦を続け、もてぎで連続表彰台に上りました。
2022年はYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINから全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにフル参戦。年間ランキングで2位というキャリア最高の成績を残しました。この年の鈴鹿8耐ではYOSHIMURA SERT Motulから参戦し、予選22位から見事な追い上げで3位表彰台を獲得。さらに、MotoGPサンマリノGPでは負傷したライダーの代役として急遽出場。ゼッケン「92」を付け、21位で完走し、再び世界最高峰クラスの舞台を経験しました。この年はEWCのボルドール24時間にも参戦しましたが、リタイアとなりました。2022年末をもってヨシムラとの契約を終えました。
2023年はTeam Kawasaki Webike TrickstarからEWCにフル参戦し、年間ランキング6位となりましたが、このシーズン限りでチームを離脱しました。
2024年は、全日本ロードレース選手権にTOHOレーシングからスポット参戦しましたが、決勝はリタイア。EWCにはTeam Étoileから3戦の参戦を予定していましたが、ル・マンは怪我で欠場。スパではSSTクラスでポールポジションを獲得しクラス6位、最終戦ボルドールはマシントラブルでリタイアとなり、SSTクラス年間5位となりました。
2025年シーズンは、Team ÉtoileからFIM世界耐久選手権の全4戦に参戦することを発表しています。渡辺一樹は、全日本でのチャンピオン経験に加え、JSB1000や鈴鹿8耐、さらには世界の舞台でも経験を積んだ、日本のトップライダーの一人です。
初期のレース活動は、2006年にヤマハTZ250を駆って参加した筑波サーキットの地方選手権から始まりました。Team Danke Racingに所属し、このシーズンでは第2戦から第4戦にかけて3連勝を飾るなど圧倒的な速さを見せ、年間ランキング2位という成績を残しました。
翌2007年からは、国内ロードレースの最高峰カテゴリーである全日本ロードレース選手権にステップアップし、GP250クラスに参戦を開始。初年度ながらシリーズランキング11位と健闘しました。2008年にはRACING TEAM森のくまさん 佐藤塾に移籍し、第2戦筑波で初の表彰台となる3位を獲得。シリーズランキングも8位へと順位を上げました。この年、ロードレース世界選手権（MotoGP）日本GPの250ccクラスにワイルドカードでエントリーしましたが、残念ながらウォームアップ走行中の転倒・負傷により決勝レースへの出場は叶いませんでした。
2009年はCOLT&SJ-Rに移籍。全日本では3度の3位と1度の2位表彰台に上る活躍を見せ、シリーズランキングを4位と大きく向上させました。この年も日本GPにワイルドカードで参戦し、14位で完走。念願の世界選手権ポイントを獲得しました。
2010年には全日本ロードレース選手権J-GP2クラスへの参戦を予定していましたが、経済状況の影響などにより開幕直前に計画が中止となってしまいました。シーズン前半はレースに出場できない状況が続きましたが、後半にはHondaのサポートを受け、MotoGP Moto2クラスに参戦するレーシング・チーム・ジャーマニーに加入し、アルネ・トーデの代役としてシーズン残りを戦いました。しかし、ポイント圏外でのフィニッシュが続き、来シーズンの参戦枠確保のためにポイント獲得が必要だったチームは、終盤2戦を残して渡辺との契約を終了し、スペインのライダーを起用することとなりました。
2011年シーズンは、スペイン選手権（CEV）のMoto2クラス参戦を目指しVector Racingチームと契約を結んだものの、参戦は実現せず、事実上1年間レース活動から離れることとなりました。この間、プロモーション活動としてネットラジオに出演するなどしていました。
2012年、RS-ITOH&ASIAから全日本ロードレース選手権J-GP2クラスに参戦し、見事にシリーズチャンピオンを獲得しました。この優勝は、その後のキャリアを大きく左右する重要な一歩となりました。
2013年シーズンからは、国内最高峰クラスである全日本JSB1000クラスにステップアップ。名門TEAM GREENから柳川明と共に参戦し、初年度はシリーズランキング7位を記録しました。2014年の第2戦オートポリスでは、JSB1000クラスで自身初となるポールポジションを獲得し、決勝でも3位表彰台に上りました。
また、2014年にはカワサキのファクトリーチームであるTeam Greenが13年ぶりに鈴鹿8時間耐久ロードレース（8耐）に復活し、柳川明、藤原克昭と共に参戦。トップ10トライアル予選では4番手グリッドを獲得するなど速さを見せました。決勝は豪雨に見舞われる難しいコンディションでしたが、渡辺がウェット路面で追い上げる走りを見せるも転倒を喫し、マシン修復などで大きく順位を落としながらも、チームは完走を果たし12位となりました。
JSB1000クラスではその後も活躍を続け、2015年にはシリーズランキング3位、2016年には6位を記録しました。鈴鹿8耐でも、2015年には予選2番手から決勝9位、2016年には2位表彰台を獲得するなど、強さを見せました。2016シーズンをもって、4年間所属したTeam Greenを離れることを発表しました。
2017年シーズンからは、イタリアのプライベートチーム「Team Go Eleven Kawasaki」より、スーパースポーツ世界選手権（WSS）にフル参戦。Kawasaki Ninja ZX-6Rを駆り、新たな挑戦を開始しました。
2018年には全日本ロードレース選手権に復帰し、ヨシムラスズキMOTULから参戦。2018年はシリーズランキング7位、2019年は5位となりました。
2020年からは、YOSHIMURA SERT Motulの第4ライダー兼開発ライダーとして世界耐久選手権（EWC）に参戦。並行して全日本ロードレース選手権にはスポット参戦し、2020年には菅生と鈴鹿で表彰台を獲得。2021年もEWC参戦と全日本スポット参戦を続け、もてぎで連続表彰台に上りました。
2022年はYOSHIMURA SUZUKI RIDEWINから全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにフル参戦。年間ランキングで2位というキャリア最高の成績を残しました。この年の鈴鹿8耐ではYOSHIMURA SERT Motulから参戦し、予選22位から見事な追い上げで3位表彰台を獲得。さらに、MotoGPサンマリノGPでは負傷したライダーの代役として急遽出場。ゼッケン「92」を付け、21位で完走し、再び世界最高峰クラスの舞台を経験しました。この年はEWCのボルドール24時間にも参戦しましたが、リタイアとなりました。2022年末をもってヨシムラとの契約を終えました。
2023年はTeam Kawasaki Webike TrickstarからEWCにフル参戦し、年間ランキング6位となりましたが、このシーズン限りでチームを離脱しました。
2024年は、全日本ロードレース選手権にTOHOレーシングからスポット参戦しましたが、決勝はリタイア。EWCにはTeam Étoileから3戦の参戦を予定していましたが、ル・マンは怪我で欠場。スパではSSTクラスでポールポジションを獲得しクラス6位、最終戦ボルドールはマシントラブルでリタイアとなり、SSTクラス年間5位となりました。
2025年シーズンは、Team ÉtoileからFIM世界耐久選手権の全4戦に参戦することを発表しています。渡辺一樹は、全日本でのチャンピオン経験に加え、JSB1000や鈴鹿8耐、さらには世界の舞台でも経験を積んだ、日本のトップライダーの一人です。
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