渡辺和則

渡辺和則

人物と経歴

渡辺和則（わたなべ かずのり）氏は、1951年5月3日に岐阜県で誕生した日本の経済学者です。教育者としては、長年にわたり二松學舍大学国際政治経済学部教授として教鞭を執り、多くの学生を指導してきました。また、大学の運営においても重要な役割を果たし、第14代二松學舍大学学長を務めたほか、二松学舎の常任理事も歴任するなど、その貢献は多岐にわたります。

学歴は、東京国際大学商学部を卒業後、早稲田大学大学院経済学研究科に進み、経済学修士の学位を取得しました。さらに学術的な探求を深めるため、千葉大学大学院社会文化科学研究科にて経済学の博士号を取得しています。

研究分野

渡辺氏の専門とする研究分野はマクロ経済学です。特に、金融と経済の動的な相互作用や不安定性に関する研究に重点を置いています。発表された論文のテーマからは、企業のバランスシート調整が投資決定に与える影響、信用メカニズムと経済の不安定性、政府の財政・金融政策がミンスキークライシス・モデルに与える効果、金融的不安定性の分析（博士論文のテーマ）、中央銀行の行動と金融不安定性、銀行の自己資本変動と経済の不安定性など、多岐にわたる視点から金融と実体経済の関連性を深く掘り下げていることが伺えます。情報の非対称性が企業行動や投資資金調達に与える影響についても考察しており、現代経済学の手法も積極的に取り入れています。

主な業績

渡辺和則氏は、専門分野に関する多くの研究成果を著書や論文として発表しています。以下にその一部を示します。

著書

『金融と所得分配』（編著、日本経済評論社、2011年）
『投資資金調達と経済変動』（単著、多賀出版、2003年）
『現代政治経済学テキスト』(共著、中央経済社、1997年)
『エレメンタルマクロ経済学』（共著、英創社、1996年）
『エレメンタル近代経済学』（共著、英創社、1994年）
『近代経済学』（共著、八千代出版、1993年）

翻訳

C．ロジャーズ著『貨幣・利子および資本‐貨幣的経済理論入門』（日本経済評論社、2004 年）

論文

「企業のバランスシート調整と投資の決定」（単著、『国際政経』、16号、2011年）
「信用と経済の不安定性」（単著、『国際政経論集』、第14号、2008年）
「政府の予算制約を含むミンスキークライシス・モデルにおける財政金融政策の効果」（単著、『国際政経論集』、第9号、2001年）
「金融不安定性の分析」（博士論文、千葉大学大学院社会文化科学研究科、2000年）
「中央銀行の行動に関する金融不安定性モデル」（単著、『国際政経』、第5号、1999年）
「銀行のバランス・シート調整と経済変動」（単著、『国際政経』、第4号、1998年）
「銀行の自己資本の変動と経済の不安定性」（単著、『国際政経論集』、第7号、1998年）
「情報の非対称性と投資資金調達」(単著、『金融脆弱性と不安定性』、日本経済評論社、 1995年)
「貨幣の内生的供給メカニズムを含む競争的価格調整部門と独占的数量調整部門の2部門 モデル」(単著、『伊達邦春教授古稀記念論文集・経済学の諸問題：理論、分析と思想』、 八千代出版、1992年)
「情報の非対称性と企業行動」(単著、『均衡と不均衡-新古典派経済理論の批判、反省、深化』、早稲田大学現代政治経済研究所、1992年)
「金融的不安定性の動学的モデル」(単著、『経済動態と市場理論的基礎』、日本経済評論社、1992年)

これらの著作や論文を通じて、マクロ経済学、特に金融経済に関する分野におけるその学識と研究活動の広がりが示されています。

外部リンク

* 二松學舍大学教員紹介 (※提供された情報に基づく推測)

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