渡辺弘二

渡辺弘二（わたなべ こうじ）は、1947年東京都生まれの日本のファッションデザイナーです。父は銀座の老舗「壱番館洋服店」の創業者であり、幼い頃からファッションに触れる機会に恵まれて育ちました。慶應義塾大学経済学部を卒業後、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションで学び、「ラシャース」での修行、グラン・シュミエール（パリ）でデッサンを習得するなど、本格的にデザインの世界へ足を踏み入れます。

1972年に帰国後、自身のクチュールメゾン「コージアトリエ」を設立。国内外の皇族、各国大使夫人、政財界の著名人など、幅広い層から支持を集めています。彼のデザインは、伝統的な技術と革新的なアイデアが融合したものであり、エレガントで洗練されたスタイルが特徴です。

渡辺弘二は、ファッションデザイナーとしての活動だけでなく、学校制服のデザインも手掛けています。慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部、富山国際大学付属高等学校、浜松学芸中学校・高等学校など、数多くの学校の制服を手掛け、生徒たちに愛される制服を生み出しています。

1983年には、英国王室後援のロイヤルコレクション（ロンドン）に招待され、作品を発表。1984年には、パリ･ヴォーグ誌12月1日号に銀座のデザイナーとして掲載されるなど、国際的にも高い評価を受けています。1989年には、英国王室後援のロイヤルコレクションで発表した作品が、スコットランド王立美術館に永久保存されるという栄誉に輝きました。

1991年には、英国王室アン王女のスーツをデザイン。1996年には、伊勢神宮御鎮座2000年奉祝記念事業「をみなの祭り」倭姫命（ヤマトヒメ）御巡幸の衣装をデザインするなど、日本の伝統文化を継承する役割も担っています。

2004年には、ニューヨーク日本ギャラリーにて初の個展「墨絵ファッションデザイン画展」を開催。2010年には、上海万博を記念し、「KOJI WATANABE FASHION SHOW in Shanghai」を開催するなど、海外での活動も積極的に行っています。

2015年には、パリ・ルーヴル宮殿にて、「KOJI WATANABE 2015-2016AW オートクチュール・パリコレクション」を発表。同年、「BS-TBS」にて、パリで開催したショー制作段階から本番までを密着したドキュメンタリー番組が放送され、大きな話題となりました。

2022年には、コージアトリエ創業50周年を迎え、2023年にはイタリア大使公邸にて記念レセプションが開催されました。

主なブランド
コージワタナベ [オートクチュール]
コージワタナベ プレタクチュール(KOJI WATANABE PRÊT-À-COUTURE)
コージワタナベ ヌーベルクチュール(KOJI WATANABE NOUVELLE COUTURE)
コージワタナベ スティル(KOJI WATANABE STYLE)

渡辺弘二は、日本のファッション界を代表するデザイナーの一人として、その才能を発揮し続けています。彼のデザインは、美しさだけでなく、着る人の個性や魅力を引き出す力を持っていると言えるでしょう。

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